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【先付】蛤は活きのよいものをよく洗い、玉酒にて軽く茹でます。スープは布漉しして昆布を差し込み、潮汁のように味を調えた後、殻から外した身に庖丁目を入れ、先のスープに浸します。別にゼリー酢を作り、大根卸しを入れて盛り付けます。 |
【椀】鶉は挽肉にして六対四に分け、六割を級地にて火を通し、当り鉢にてよく混ぜます。玉子の素少々・大和芋をつなぎにし、薄口醤油・かくし程度の味醂を加え、昆布出汁にて丸に取ります。栗麩生地に先の鶉しん薯を包んで饅頭に見立て、蒸し上げて含めます。松茸は適量に庖丁し、菠薐草の軸菜と共に盛り付けます。 |
【造り】平目は水洗いして上身とし、そぎ作りにします。青利烏賊は水洗いしてよく皮を剥ぎ、鹿の子に庖丁目を入れて適量に庖丁します。鮪トロは、作取りして平作りにします。 |
【凌ぎ】餅米はよく洗い、昆布出汁八方地に一晩漬け、蒸籠にて蒸し上げます。穴子は蒲焼にし、栗、銀杏は吸地にて含ませます。以上の品を彩りよく盛り付け、天にイクラを添えます。 |
【口代り】まながつおは上身にして塩を当て、西京味噌に、酒・味醂・砂糖を加え、味を調えて漬けます。相鴨は抱き身を適量に庖丁し、別に慈姑玉子を作り、海老の潰し身をつなぎにして鴨と合わせ、タレ焼きにして粉山椒を振ります。慈姑玉子は慈姑の皮を剥き、灰汁止めして摺りおろし、割り込み玉子と合わせ、砂糖・白醤油で味を調え、厚焼玉子の要領で焼きます。〆鯖紅葉射込みは、一晩昆布押しした〆鯖を適宜に庖丁し、別にエシャレットの微塵切りをよく塩もみした後、水で洗って晒しで絞り、梅肉・酒・味醂を少量加え、味を調えて和えます。先の〆鯖に射込みます。琥珀玉子は、腹卵を用意し、西京味噌・田舎味噌を合わせて床漬けにします。大徳寺納豆は、薄衣にて揚げます。螺旋芋レモン煮は、薩摩芋を螺旋に剥き、薄蜜にてレモンを入れ、含め煮にします。柿膾は、富有柿、大根、京人参を拍子木切りに庖丁し、差し昆布した塩水に漬け、かぼすをベースにした甘酢にて和えます。 |
【煮物】手頃な小蕪を菊花に剥いて芯をくり抜き、含め煮にして茶碗に盛り付け、玉子地を入れて蒸し上げます。生雲丹を割り醤油で洗い、片栗粉を付けて霜降りし、蕪の上に盛り付けます。銀餡を掛け、針柚子をのせて供します。玉子地は玉子と吸地を同割より若干吸地を多めにします。 |
【油物】芝海老は庖丁にてよく叩き、当り鉢にて当り、生身・玉子の素にてしん薯地を作ります。栗は繊切りにし、薄い塩水にてしんなりさせた後、笊にて風干しにします。栗の繊切りと焼売皮を合わせ、丸く取ったしん薯地に絡ませ蒸し上げ、油で揚げて盛り付けます。吹き寄せ煎餅は、蓮根、丸十芋、紅葉麩を素揚げにて煎餅にします。 |
【強肴】活きのよい菱蟹は水洗いし、塩を抱かせて蒸し上げた後、身を取り出し、菊花と重ねるように盛り付け、生姜酢を掛けて供します。菊花は常の通り茹でて吸地に浸して使います。 |
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