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十二月の絵献立[一]
師走の献立
「熱海大観荘」 山東 邦男
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絵献立 お品書き
【酒肴】唐墨は角切りし、車海老は茹でておき、水前寺海苔は3日ほど水に漬けて色出しし、唐墨の大きさに合わせて庖丁します。蕪と萵苣薹は唐墨の大きさを合わせて庖丁し、蕪は塩水に漬けておきます。萵苣薹は色出しして笊に上げ、振り塩をします。大根卸しを作ってよく絞りおき、かぼすの絞り汁・昆布酒を加え、先の品々を合わせて盛り込みます。
【造り】鯛、鮪、赤貝、針魚、平貝はすべて水洗いした後、鯛、針魚は三枚におろし、それぞれ上身とします。梅干しは裏漉しして梅肉を作り、土佐醤油で割ります。紫蘇は摺りつぶし、土佐醤油に2割ほど入れて供にします。
【椀盛】甘鯛は皮を使うので、鱗鱗はバラ引きにして水洗いした後、三枚におろし、旨味のでるように軽く振り塩をします。牛蒡はよく洗って柔らかくなるまで十二分に戻し、吸汁味で含め煮とし、蕗は色良く茹でます。先の甘鯛の皮を引き、身のほうを生身とします。甘鯛の皮を広げて生身を薄くのばし、牛蒡を皮の長さに合わせ、もう一度牛蒡のほうにも生身を付け、巻簀でかためて皮にバーナーで焦げ目を付け、蒸し器で15分位火を通します。椀に合わせて甘鯛を庖丁し、蕗、蕗の薹を香りに天盛りして供します。
【焚合せ】鱈は水洗いした後、三枚におろして上身とし、一切れ60g位に庖丁し、切り身に強塩をして2分位置き、霜降りします。後、4・1・1位の濃い目の出汁で煮くずれしないよう注意して煮上げます。長芋はキズを付けないように注意して洗い、丸のまま茹でます。八杯の1・1位の出汁を合わせて姿のまま、蒸し煮を90分位します。後、輪切りにします。長葱は縦に切り、空揚げ粉を付けて油で素揚げとします。長芋、鱈の順に盛り付け、揚げた葱をふんわりと天に盛ります。
【焼肴】活車海老は25g位のものを求め、胴皮を剥いで昆布酒に漬け置きます。烏賊は上身にして一切れ15gに庖丁します。竹の子は常の通り茹でて皮を取り去り、見た目が美しく、食べよい大きさに庖丁します。生椎茸は姿のまま、青唐も同じです。鰹の酒盗を酒で割り、酒盗汁を用意し、車海老、烏賊、竹の子、椎茸を酒盗汁で洗い、海老は跳ねないように串で止め置き、器に盛り付けます。小焜炉に炭を入れ、鉄器または石器で焼いて食していただきます。
【相肴】柚子は7・3に庖丁し、釜にします。蟹は身をさばき、ほぐしておきます。蕪は米を入れて湯がき、葛豆腐の一割位の分量を裏漉しし、葛1、水7、胡麻0.5を合わせて練ります。独活は針に庖丁し、水に晒します。先の柚子釜に蕪豆腐を入れ、蟹の身を盛り、玉味噌を掛け、針独活を天盛りとします。
【酢肴】雲子は一人50gを用意し、セルクルに入れて置き、別に小茶碗の器を温めておきます。大根卸しを茹でて岡上げした後、昆布出汁に入れ、とろりとしたみぞれ汁を作ります。雲子は昆布出汁に酒を1割位入れた出汁で茹で、小茶碗に先の大根みぞれ汁を少々入れ、熱々の雲子を盛り、青葱、黒胡麻、七味唐辛子を天に置き、ポン酢を添えます。
【食事】吸物汁に洗ったご飯を入れて雑炊を作り、別に6・1・1の出汁を合わせ、葛でとろみを付けて葛餡を作り、片口の器に入れ、色出ししたオクラを庖丁したものとイクラを小皿に盛り付け、雑炊の付け合わせとして一緒にお出しします。
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