全国うまいもの

岐阜県

【県庁所在地】岐阜市【地方】中部地方
【人口】2,070,878人(2012年2月1日現在)
【特産品】飛騨牛、朴葉味噌、五平餅
【県花】レンゲソウ【県鳥】ライチョウ
【県木】イチイ【県魚】アユ

中部地方に位置する内陸県。北部の飛騨地方は標高3,000m級の飛騨山脈をはじめとする山岳地帯で、南部の美濃地方は愛知県の伊勢湾沿岸から続く濃尾平野が広がり低地面積が広い。特に南西部の木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)合流域とその支流域には水郷地帯が広がる。この地形の特徴から飛山濃水という言葉で表される。世界遺産の白川郷が有名。

岐阜県

品漬【しなづけ】

寒冷地が育んだ逸品

高山特産の赤カブを中心に、キュウリ、ナス、ミョウガ、キノコを加えて塩漬けにしたのが「品漬」。最近は都会ではあたり前だが、高山でも家庭で野菜を漬ける人が少なくなったという。そこで、「飛騨の味を守ろう」と昭和24年から漬物に専念しているのが漬物店「うら田」である。

標高500〜700mの丘陵地帯で栽培される高山のカブは、肉質が柔らかく漬物に適している。晩秋に収穫した赤カブは手作業で繊維に沿って切り塩漬けにする。塩漬けしてから1〜2週間するとツユが赤くなり、カブの白い身も赤色に染まる。そこへ前から塩に漬けていたキュウリ、ナス、ショウガ、キノコを塩切りしていっしょに漬ける。一昼夜で野菜類が赤カブのツユになじんだところで、カブ70%、野菜30%の割合で混ぜ合わせると「品漬」ができる。

口に入れるときゅっと歯ごたえがよい。ご飯のおかず、お茶漬けにもよい。

【お問い合わせ】

有限会社うら田 〒506-0801 岐阜県高山市上野町1007
[TEL]0577-32-1428 [FAX]0577-34-2899 [HP]http://www.tsukemono-urata.com/

朴葉味噌【ほおばみそ】

山国の味噌料理

海から遠く離れた山国飛騨高山は、海産物に恵まれず冬が長い。そんな悪条件の中から、飛騨の人たちは味噌を調味料としてだけでなく、副食として焼いて食べることを考え出した。「焼き味噌」には朴の葉を使うが、自然に落ちた枯葉、それも午前中に拾ったものに限る。朴の彙は20〜30cmの大きさで匂いはほとんどないが、火に当てると野趣豊かな香りを発散する。この葉を5分間水に漬けると柔らかく丈夫になる。

味噌は飛騨味噌にゴマ油と刻んだ飛騨ネギを入れるのが普通。好みに応じてショウガ、生シイタケ、季節の野菜、鶏肉、カキ、貝などを具に入れてもうまい。味噌は朴の葉の上にのせ、金網の上でとろ火で焼くと、焼けた味噌は朴の葉の香りをただよわせる。「柴田春次商店」では、「糀味噌」「いなか味噌」「飛騨味噌」をつくっている。「朴葉味噌セット」もあり、手軽に味わえる。

ご飯によい。日本酒の肴にもよい。

【お問い合わせ】

有限会社 糀屋柴田春次商店 〒506-0802 岐阜県高山市松之木町199
[TEL]0577-32-0653 [FAX]0577-35-2113 [HP]http://www.koujiyamiso.co.jp/

筏ばえ【いかだばえ】

川魚の珍味

「筏ばえ」というのは、長良川で獲れるハエ(はや=鮠)を味醂炊きしたもの。材料になるハエは関東ではヤマペ、北海道・東北ではヤマメといわれる淡水魚。体長は約20cmで食べてみると淡白な味がする。

明治の初め頃までは、奥美濃から岐阜へ出す材木は筏に組み、長良川の流れにのせて長良橋近くの木場へ届けていた。この筏のかげには多くの魚が集まり、その中でもハエはここで育ち、筏のように列を組んで川をのぼったところかこの名が付いた、ハエは水から上げると脂が浮くので清水で洗い流す。そして、味醂とザラメでつくったタレとたまりの中に入れ、時間をかけて炊き上げるが、形がくずれないように小鍋で少しずつ煮詰める。口に入れるとほどよい柔らかさで川魚の臭みもない。11月〜3月が食べ頃だが、夏のものはやや苦みがある。

ちょっと甘口だが、お茶漬け、酒の肴によく合う。

【お問い合わせ】

鈴木物産株式会社 〒500-8069 岐阜県岐阜市今小町30
[TEL]058-265-0955 [HP]http://list.tabiiro.jp/302479.html

伊深志ぐれ【いぶかしぐれ】

生麩の玉ちぎり

この品を初めて口にした人は何から作られたのかと首をかしげる。これまで食通の多くの人達も、原料がなんであるかを即座に言い当てたことはなかったという。色とつやは桑名の時雨はまぐりにそっくりだが、口に入れてみると味がちがう。はまぐりほど堅くなく鶏肉ともちがう。なんとこの「伊深しぐれ」の原料は麩(ふ)である。

この珍味の生みの親は、美濃加茂市伊深町にある正眼寺の梶原逸外老師。ここは元巨人軍監督の川上哲治氏も参禅、修行した寺として有名である。原料の生麩を手で約3cmの玉にちぎり、熱湯で湯がき、味醂・酒・砂糖・生姜で作った煮汁の中に入れる。強火で7〜8時間煮詰めると出来上がる。

ご飯のおかず、お茶うけ、酒肴によい。常温で2〜3週間もつ。

【お問い合わせ】

伊深志ぐれ大黒屋 〒501-3847 岐阜県関市新町19
[TEL]0575-22-1650

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

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