全国うまいもの

岩手県

【県庁所在地】盛岡市【地方】東北地方
【人口】1,303,672人(2012年9月1日現在)
【特産品】あわび、盛岡冷麺、前沢牛、南部煎餅
【県花】キリ【県鳥】キジ
【県木】ナンブアカマツ【県魚】ナンブサケ

東北地方の北部に位置する県。北海道に次いで2番目に広い。穀物、畜産業などが伝統的に盛ん。またリアス式海岸の岩礁は海藻類の養殖にも適しており、ワカメとアワビの養殖は生産高全国1位。盛岡市は東北の主要都市の一つで中核市に指定されている。南西部の平泉には奥州藤原氏の栄華の遺産である寺院や遺跡群が多く残り、東北地方では初の世界遺産に登録された。

岩手県

焼うに【やきうに】

軽く炙ってお酒の供に

三陸沖でとれるウニは越前ウニに負けず劣らずうまい。ウニは水深10〜15mぐらいの岩場で昆布やワカメなどの海藻の生い茂ったところで育つが、三陸の荒波が身のしまったムラサキウニを育てるのだ。ウニ漁が解禁になる五月になると船を出して漁をする。とれたウニを浜に持ち帰り、殻をむいて生きているうちに加工する。スプーンで身を取り出し、きれいな海水で洗い、その場で「貝焼」(地元では「焼かぜ」ともいう)に仕上げる。アワビのカラに盛り付けて焼くのだが、甘味といい香りといい逸品である。「貝焼」に使うのはウニの卵巣の部分である。6〜7個分の卵巣をひとつのカラに盛り、鉄製のカンに40〜50個まとめて蒸し焼きにすると出来上がる。

軽く火であぷり温めてから身を取り出し醤油をかけるのがよい。焼きたての香ばしい香りと独特の甘味が戻ってきて、食欲をそそる。酒の肴、茶碗蒸しにもよく合う。

保存は冷蔵庫で1週間。あとは冷凍にする。他に「粒うに」などがある。

【お問い合わせ】

山口商店 〒027-0084 岩手県宮古市末広町7-30
[TEL]0193-62-2626 [FAX]0193-64-1180

あわび粕漬【あわびかすづけ】

うまみを生かす粕漬け

アワビの生育に適した宮古湾沖では、11月になると一斉にアワピの採集が始まる。11月から翌年の1月にかけてカラを開ける(これを開口期という)が、この時期のアワビが最もうまい。ここのものは大きさが9〜12cmと比較的小振りだが、粒がそろいよく身がしまっている。

山口商店の「アワピ粕漬」、その天然アワビを岩手産の地酒の酒粕に漬け込んだものである。製法はとれたての生きたアワピのカラをはずし、ほどよく塩をして冷蔵する。その後で地酒の酒粕に漬けるのだが、アワビ本来の甘みとうまみを生かすために酒粕に漬ける期間は1日か2日と短い。夏場はほとんど酒粕だけに漬けるが、冬場は味醂、酒、焼酎などで味付けする。アワピの塩辛さが酒粕の甘さで薄まり、ほどよい味加減である。

そのまま薄切りにし少々醤油をかける。酒粕を落とし、刻んで和え物にしてもよい。

【お問い合わせ】

山口商店 〒027-0084 岩手県宮古市末広町7-30
[TEL]0193-62-2626 [FAX]0193-64-1180

わんこそぱ【わんこそぱ】

おなじみの岩手名物

岩手名物の「わんこそば」を全国どこでも気軽に食べられるよう乾麺にしたもの。
岩手製麺では、製麺の製造過程をすべてオートメーションシステムで行っている。そば粉6割、小麦粉4割の割合で塩水でこね、薄い板状にのばして切る。出来上がった麺は、直径約1ミリ、長さは約13cmというきわめて細いひと口サイズである。そして、そばは何といってもそば粉がうまさを左右する。当店で使うそばは、11月にとれた新そばの実を種皮のみを取り除き、自社の機械で粉にする。ここで重要なのは、そばの一番のうま味、香りやねばりを出す果皮もいっしよに砕くことだ。

種皮のまじったものは黒ずみ、果皮のまじらないものは白く、果皮のまじったものは灰色になる。本物のそば粉を使ったそば通向きのそばといえる。

つけ汁と薬味を工夫して “もりそば”で食ペるのが一番。

【お問い合わせ】

株式会社 戸田久 〒028-5391 岩手県二戸郡一戸町一戸字前田168
[TEL]0120-30-2551 [FAX]0120-47-2551 [HP]http://www.todaq.com/shop/

焼まつも【やきまつも】

磯の香りがいっぱい

北日本の複雑に入り組んだリアス式海岸の、いつも波をかぷり濡れている岩場に自生する。まつもは「松藻」と書き、松の枝のような形をしているところからこの名が付いた。濃い緑色をした8〜25cmの海藻で多数の葉をもっていて柔らかくてねばっこい。一般に言う“キンギョモ”とは別のもの。

収穫のシーズンは12月から翌年の3月までで、干潮のときに刈り取る。それを水洗いしたあとノリ板を干す要領で天日に干して乾燥させ、遠火であぶって焼いたものが「焼まつも」。「焼まつも」の持ち味は潮の香りと焼いた香りだ。川原田商店では、収穫期に一年分のまつもを仕入れて冷蔵し、必要なだけ製造している。カロチンやリンを多く含んだ栄養満点の手作り自然食である。

焼ノリのようにそのまま食ペても香ばしい。味噌汁にもんで入れても美味しい。

【お問い合わせ】

川原田商店 〒027-0075 岩手県宮古市和見町3-7
[TEL]0193-62-3304 [FAX]0193-63-3243 [HP]http://www.kawarata.com/

卵めん【らんめん】

こしが強くさっぱり味

「卵めん」は、小麦粉を玉子で練ったぜいたくな“そうめん”の一種である。練るときに水の代わりに鶏卵を使うが、粘りを出すために卵黄、卵白とも入れる。水は塩を溶かすために少しだけ使うが、油はいっさい使わない。乾燥させて出来上がった卵めんは、淡いクリーム色になる。茹でるときに何となく玉子のにおいがするが、水で洗えば生臭さは消え、鮮やかな黄色みを増す。

太さは約1mmと極細だが、玉子のせいでこしが強く、さっぱりとした舌触りだ。こしが強くのびにくいので口に入れて噛まずに飲み込める。卵めんは「十蔵卵めん」とも呼ばれ、250年程前に松屋十蔵というキリシタンによってもたらされたと伝えられる。

ネギやシソの葉を入れた付け汁につけて食ペるのが一番。野菜と和えてサラダにもできる。冬は鍋料理風に豆腐、大根、椎茸などを入れてつくったスープを卵めんにかけて食ペる。

【お問い合わせ】

有限会社 吉田製麺 〒023-1131 岩手県奥州市江刺区愛宕字朴ノ木220-1
[TEL]0197-35-2719 [FAX]0197-35-6796 [HP]http://www.ranmen.co.jp/

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

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