全国うまいもの

宮城県

【県庁所在地】仙台市【地方】東北地方
【人口】2,325,407人(2012年10月1日現在)
【特産品】ササニシキ、牛タン、仙台味噌、おくずかけ
【県花】ミヤギノハギ【県鳥】ガン
【県木】ケヤキ

東北地方に位置する県。太平洋沿岸部から奥羽山脈のふもとにかけて広大な平野部を持ち、ササニシキ、ひとめぼれなどの米どころとして有名。また三陸沖の気仙沼漁港、石巻漁港、塩釜漁港はカツオ、サンマ、マグロなど全国屈指の水揚げ量を誇る。政令指定都市の仙台市は東北地方最大の都市であり、広瀬川や青葉山の風光も良く街路樹などの緑が多いことから「杜の都」とも呼ばれる。

宮城県

仙台長なす漬【せんだいながなすづけ】

鮮やかな紫紺色

広大な仙台平野で栽培される野菜は、いずれも質の高いことで知られている。その中でも代表的なものは「長なす」である。このなすは長さ10cm、直径1.5cmとずいぶん細長い。県内でも仙台市周辺でしか育たないといわれ、実がしまって堅く、色は紫紺色で皮はつるつるしている。

このなすを丸のまま漬け込む。まず、塩漬けを3日おきに2回繰り返す。そして、塩抜きしたあと薄口醤油と味醂などで味付けした漬け汁に、約1日漬けておくと出来上がる。なすの持ち味を十分に生かした漬け方で、漬け上がったなすは色鮮やかな青紫になり、見た目にも美しい。丸のままかじると皮も肉も歯ごたえよく噛み切れ、口中に広がる風味がなんともいえない。

丸のまま食ペたいものだが、塩気が強いので軽くしぽってから食ペるとよい。温かいご飯はもとより、お茶漬けやそうめんにも合う。開封したら要冷蔵、夏場は塩をきかせてあるので注意すること。

【お問い合わせ】

岡田の仙台長なす漬本舗 〒984-0015 宮城県仙台市若林区卸町1-4-9
[TEL]0120-284013 [HP]http://www.sendaimeiten.com/maker/okadanonaganasu/

笹かまぼこ【ささかまぼこ】

弾力あるおいしさ

「笹かまぼこ」は今日では全国的に知れわたったブランド品になっている。しかし、そもそも笹かまぼこはが生まれたのは魚がとれすぎたときにその処置に困り、保存食として考え出されたものだという。すり身にして焼くという最も原始的な方法をあみだしたのは江戸時代である。現在は大手メーカーの大量生産により、真空パックのものがどこでも幾種類か味わえる。

漁業都市・石巻にある「粟野蒲鉾店」では、手作りの笹かまぽこだけをつくっている。原料になるのは、この港で水揚げされる喜知次(キチジ=きんき)という体長15cmぐらいの赤い骨太の白身魚だ。これを三枚におろし、身だけを塩と酒に混ぜ合わせ、臼(うす) ですりつぶし、独自の味付けをして両面を薄いきつね色になるまで焼く。でき上がりは文字通り笹の葉の形をしていて、肉厚で弾力性に富んでいる。

軽く焼き直すか、さっと熱湯に浸してワサビ醤油で食ペるのが一番おいしい。おでんにしてもよい。

【お問い合わせ】

粟野蒲鉾店 〒986-0822 宮城県石巻市中央1-9-11
[TEL]0225-96-1232 [HP]http://sasakama.co.jp/

ほやの塩から【ほやのしおから】

海のパイナップル

ホヤ(海鞘)は魚でも貝でもない奇妙な生き物である。いぼのついた赤茶色の外皮に覆われ、「海のパイナップル」ともよばれるホヤは、海底の岩に固着して生息する。成長したものは大人のこぶしほどになるが見た目にはあまり快いものではない。

ホヤの旬は初夏。漁師はとったホヤの先端(口)を切り落とし、中の身をそのままかぶりつく。まるでもぎたての果物のように新鮮でやわらかい。しかし、生のままでは傷みが早く、3日ともたない。そこでこの珍味を一年中食べられないものかと研究を重ねて出来上がったのが十字屋の「ほやの塩から」だ。
ホヤは全体の80%以上が水分で、食ペられる部分はわずかしかない。中身をホヤ水(ホヤの殻の中に入っている水)と日本酒で手早く洗い、きざんで塩漬けするのがうま味を逃さないコツ。

辛口と甘口がある。食べ方はそのまま酒の肴に、三杯酢やワサビ醤油につけて食べるのもうまい。

【お問い合わせ】

株式会社十字屋 〒985-0004 宮城県塩竃市藤倉3-5-14
[TEL]022-362-5108 [FAX]022-365-0244 [HP]http://www.jyujiya.net/

白石温麺【しろいしうーめん】

油を使わないめん

白石温麺(しろいしうーめん)は、およそ350年ほど前に、白石の鈴木味右衛門が播州地方の素麺を改良して作ったと伝えられている。そのきっかけになったのは、彼の父は胃を病んで食がすすまず、ただ素麺だけを所望した。だが、医者は素麺は脂肪分が多いとの理由で許さない。そこで味右衛門は上方(関西)まで行って油を使わない新しい製麺法を研究し「温麺」を作り上げた。これを食ペた父はまもなく病いが快復したという。

製法は簡単で、小麦粉を水でのばし、それを乾燥させて切れば出来上がり。温麺は普通の麺とは違って、生地をねかす時間がうんと短い。それは、小麦粉特有のサクッとした歯触りとこしの強さを引き出すためだ。もう一つの特徴は麺の長さにある。直径1.5cmと素麺より太めだが長さは9cmと短い。

夏は素麺風に冷水にさらし、付けつゆにつけて食ペる。冬は熱い付け汁につけるか、野菜を入れて煮込みにする。

【お問い合わせ】

白石物産商事株式会社 〒989-0701 宮城県刈田郡蔵王町宮新大除1-1
[TEL]0224-32-2328 [FAX]0224-32-2128
[HP]http://www.shiroishi-umen.com/siroisibussansyouji/index.html

生かき【なまかき】

身の締まった活きのよさ

宮城県は広島県に次いでカキ(牡蠣)の生産量が多く、特に松島湾産のものが古くから有名である。松島湾のカキは広島産のものより、腹の部分はやや小さめだが、全体的には大きく、表皮が薄いせいで内臓が透き通っていて、やや黒っぽく見える。しかし、冷たい海流の中で育ったために身が引き締まり、生で食べると絶品である。

松島湾はもともとカキの生育に適し、昔から天然カキが繁殖していた。古くは元禄のころ、漁師の内海庄左衛門が取り放題ではいつかはなくなってしまうだろうと、稚貝を海に放ったのがカキの養殖のはじまりと伝えられている。現在は「垂下式養殖法」といわれる方法で、三陸沿岸一帯で養殖されている。
「仙台かき徳」では、11月から翌年3月まで脂ののった新鮮なカキを提供している。カキは水洗いしてカラを取り除き、3%の食塩水につけるだけ。きれいな海で獲れたものだけにこれで十分。

食ペ方は生が一番。大きいものはフライにする。

【お問い合わせ】

仙台かき徳 〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町4-9-1
[TEL]022-222-0785 [FAX]022-265-3898 [HP]http://www.kakitoku.co.jp/

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

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