全国うまいもの

山形県

【県庁所在地】山形市【地方】東北地方
【人口】1,152,315人(2012年9月1日現在)
【特産品】サクランボ、芋煮、玉こんにゃく、おみ漬
【県花】ベニバナ【県鳥】オシドリ
【県木】サクランボ【県魚】サクラマス

東北地方南西部に位置する県。県の東側一帯を奥羽山脈、西側に朝日連峰と大半を山地が占め、県の中央には最上川が流れる。果樹王国として全国的に有名で主な生産品としてはサクランボがある。高級ブランドサトウニシキが有名。全国で唯一全市町村に温泉が湧出するなど観光資源に恵まれており、国内外から数多くの観光客を呼んでいる。

山形県

やたら漬【やたらづけ】

楽しい漬物

雪深い山形は漬物王国である。漬物の材料になる野菜や山菜が豊富で、寒暖の差が激しい気象条件も漬物づくりに合っているからだろう。多くの種類がある中で、芳香と深みのある味で最も知られているのが刻み漬けである。その代表的なものは山形市以北の農家で作っている「やたら漬」だ。

漬ける野菜はところによって違うが、やたら漬本舗では、ダイコン、キュウリ、ナス、シソの実、レンコン、ニンジン、ゴマの7種類を材料にする。漬け方は、旬に採れた野菜を洗って6ヶ月から1年間塩漬けにして寝かせる。これが一番漬け。それから塩抜きをして刻み、木綿袋に詰め替えてさらに3ヶ月置く。これが二番漬け。さらに水気を十分に取つたところで味醂、醤油、砂糖それに調味料を加えた漬け汁に約10日間漬け込むとコクのある深い香りの漬物になる。歯触りのよさと野菜の風味がここちよい。

そのままご飯のおかずに最適。酒の肴にも合う。

【お問い合わせ】

株式会社 丸八やたら漬 〒990-0047 山形県山形市旅篭町2-1-5
[TEL]023-634-4108 [FAX]023-634-4109 [HP]http://yatarazuke.com/

米沢鯉の甘露煮【よねざわごいのかんろに】

アメ色に輝く鯉の味

米沢の鯉はその昔、越後からこの地に転封となった上杉鷹山(ようざん)が故郷から持ち込んだものである。彼は当時耐乏生活を強いられていた領民に鯉の養殖をすすめ、家のまわりに池をつくらせ、越後から運ばれてきた幼魚を飼わせた。そして米沢人の質実剛健ぶりが数年後には、美味しい鯉づくりの実を結ばせた。領民はこの鯉を刻んで終日、囲炉裏にかけ、不意の客にそなえたという。

米沢名物の「甘露煮」には、体長30〜45cmまでの三年鯉が使われる。あまり大きいものは骨が硬くて大味でよくない。頭、うろこを落とし、苦玉(胆嚢・たんのう)を取り除き、内臓をつけたまま輪切りにして赤銅の鍋に並ペる。醤油1、酒1、ザラメ2の割りのタレでとろ火にかけ、じつくり煮込むと切り身は半分くらいに縮まって飴色に輝き始める。さらに醤油、酒を加えて煮込むと出来上がる。

真空パックなのでそのまま熱湯であたためること。味が変わりやすいのでできるだけ早く食べること。賞味期間は製造後、5日間。

【お問い合わせ】

宮坂鯉店 〒992-0032 山形県米沢市相生町7-130
[TEL]0238-22-7188 [FAX]0238-21-2309 [HP]http://www.koi-miyasaka.com/top.html

民田茄子の粕漬【みんでんなすのかすづけ】

アメ色に輝く鯉の味

「めづらしや山をいではの初なすび」とは、松尾芭蕉が出羽望三山詣でから鶴岡に出たときに詠んだ句である。民田ナスは山形県民田地方でとれる一口ナスのこと。小粒でころんとしていて肉質がしまった大人の親指大の大きさである。ナスはもともと南方から伝わってきたもので、本来は熱帯性の気候にあっている。しかし、品種改良の結果、この地方にぴったりの一口ナスが誕生したのである。

材料になる一口ナスは、7月中旬から9月初旬にかけて収穫されたものを使用する。まずたっぷりの塩と塩分を含んだ下粕という酒粕に3ヶ月間漬け込む。そして塩分の少ない酒粕に10日間隔で4度漬け替える。この間に塩分が酒粕に調和され、ふくよかな酒粕の香りが民田茄子の味をひときわ引き立たせる。皮の色は黒紫色になるが、切ると中身は深いペっこう色をしている。口に入れるとカリッとした歯ごたえのあるうまさだ。

ご飯のおかず、酒の肴によい。賞味期間は1ヶ月くらい。

【お問い合わせ】

株式会社本長 〒997-1124 山形県鶴岡市大山1-7-7
[TEL]0235-33-2023 [FAX]0235-33-0878 [HP]http://www.k-honcho.co.jp/

晩菊【ぱんぎく】

山形らしい漬物

「晩菊」は阿房宮(あぼうきゅう)と呼ばれる食用菊をメインにワラビ、ゼンマイ、タケノコ、ダイコン、ミョウガ、キュウリ、ニンジンなど十種類以上の野菜を細かく刻んだ漬物である。

作り方は、まず一年間木樽のなかで漬け込み、それぞれの野菜の持ち味を存分に引き出す。さらに醤油を主体にして、味醂、焼酎、梅酢を加えた漬け汁に漬け込んで仕上げる。仕上げの漬け込みは短期間。薄い塩味と焼酎でひきしめられて味とが一体となっていて、口に入れると梅酢の風味も加わって歯ごたえがよい。全体としては現代風の軽い感じの野菜漬けといえよう。この漬物の主役はなんといっても晩菊である。晩秋の旬につみとられた菊が他の野菜とあいまってさわやかな味だ。

ご飯のおかずに、酒の肴に絶好。香りがよいのでお茶漬けよりは白湯漬けのほうが持ち味が出る。

【お問い合わせ】

晩菊本舗 三奥屋 〒997-1124 山形県東置賜郡高畠町大字糠野目1664
[TEL]0120-33-2510 [FAX]0238-57-4075 [HP]http://www.mitsuokuya.co.jp/html/home.html

雪割納豆【ゆきわりなっとう】

手作りの寒仕込み

米沢地方に古くから伝わる手作りの寒仕込み納豆のこと。旧藩時代に、武家が戦争、飢餓、雪害に備えて毎年冬のくる前に、必ず五斗樽に仕込んで保存したところから「五斗納豆」と呼ばれた。

雪割り納豆に使用する大豆は、中国産の中粒のもの。大豆を焙煎→挽き割り→皮取りの作業の後、蒸してから納豆菌を入れて一晩ねかせる。そして保存性を高めるために、こうじ(麹)、塩、調味料を加えて樽詰めにし、半月の間発酵させる。出来上がった納豆は塩分が10%弱と高いが、こうじを加えることによって塩味を緩和している。また、独特の臭みは仕込み期間が長いほど強くなるので、熟成に時間がかかり厳冬期のものほど美味である。しかし、薄味に慣れた現代の都会人にはやや塩辛く感じられるかと思われる。

調味法はマル秘だが、昆布が主体になってまろやかな味を出している。炊きたてのご飯の上にのせて食べる。コンニャクや里芋を入れて作る「納豆汁」もいける。賞味期間は常温で冬は3ヶ月、夏は1ヶ月。

【お問い合わせ】

まるよね食品工業 〒992-0003 山形県米沢市窪田町窪田1040-2
[TEL]0238-37-2111 [FAX]0238-37-2113
[HP]http://www3.omn.ne.jp/~maruyone/maruyone_file/main.html

牛肉さくらんぽ漬【ぎゅうにくさくらんぼづけ】

まろやかなワインの香り

米沢地方は松阪や但馬とともに、食用牛の生産地としてよく知られている。山形県の大自然の中で育った米沢牛は、ほとんどが黒色の和牛で血統的にも筋が通っている。まるまると太った米沢牛の肉は霜降り模様も鮮やかで素晴らしい色合いである。

この肉をさくらんぽワインに漬けたのが「牛肉さくらんぽ漬」。日本一の生産量を誇るサクランポでつくったワインにさくらの葉、さくらんぼ紫蘇漬け、特殊味噌を加えて樽の中で1週間漬け込むと出来上がる。ワインの甘い香りと味噌の風味がしみこんだ肉は大いに食欲をそそる。みちのく山形が生んだ逸品といえる。

食ペるときは、味噌を全部落とさないで網で焼くか、アルミホイルに巻いて網焼きするのがよい。味噌がこげないように注意する。その他、「豚肉さくらんぼ漬」「牛タンさくらんぼ漬」「蔵王べにばな鶏さくらんぽ漬」「牛アキレス煮」などいろいろな商品がある。

【お問い合わせ】

有限会社 肉の小林 〒991-0043 山形県寒河江市島883
[TEL]0237-84-3259 [FAX]0237-86-7525
[HP]http://www.e-yamagata.com/eyamab/0237843259/

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

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