全国うまいもの

三重県

【県庁所在地】津市【地方】近畿地方
【人口】1,845,909人(2012年2月1日現在)
【特産品】松坂牛、伊勢海老、伊勢茶
【県花】ハナショウブ【県鳥】シロチドリ
【県木】神宮杉【県魚】伊勢エビ

紀伊半島の東側に位置する県。近畿圏、中部圏のいずれにも含まれる。海や山の豊富な自然に恵まれ農業漁業が盛ん。江戸時代からお伊勢参りの名で知られる伊勢神宮や伊賀上野、二見浦、世界遺産の熊野古道などの観光地やナガシマスパーランド、志摩スペイン村、鈴鹿サーキットなどのテーマパークがあり、特に伊勢志摩地区は観光地としても名高い。

三重県

時雨蛤【しぐれはまぐり】

殿様も絶賛

桑名は木曽川、長良川、揖斐川が伊勢湾に注ぐ河口にあり、海水が真水で薄められている。この水域は汽水域といわれ、ハマグリの育成に最適。塩分の濃い海で育ったものは身が赤く、脂肪が多くてかたい。それに比べて、桑名産は身が白く柔らかで大きい。

ハマグリのむき身を水洗いして砂やぬめり(粘膜)を取り、刻み生姜といっしょに茹でる。茹ですぎると身がかたくなったり、旨みが外へ逃げてしまうので沸騰する寸前で上げる。そして茹であがったむき身をたっぷりのたまり醤油の中で、身を浮かして炊き上げる。これを「浮かし炊き」という。ここが水分がなくなるまで煮込む佃煮と違うところ。また、一度使った煮汁は「元だまり」といって次に煮る時に使う。

「時雨蛤」はそのまま食べても、おかずにしても、酒の蕎にしてもよし。ご飯に炊き込んでもよい。大粒のものを3、4つに切り、海苔、三つ葉、山葵をまぶした「時雨茶漬け」が絶品。

【お問い合わせ】

総本家貝新水谷新九郎商店 〒511-0079 三重県桑名市有楽町41
[TEL]0594-22-2625 [FAX]0594-23-6351 [HP]http://www.kaishin-shinkurou.co.jp/

松坂肉【まつざかにく】

最上級の牛肉

近頃とみに松坂肉(牛肉)が人気を集めている。その松坂牛を明治時代から手掛けているのが「和田金」。松阪牛というのは、もともと但馬地方(兵庫県)にいる黒い和牛の処女牛のことである。この処女牛を常時2000頭近く松阪市の隣町にある自家牧場で飼育している。仕入れた仔牛は10頭ずつ牛舎に入れられ、約400kgに成長すると個室に移される。最終仕上げには押し麦や絞り粕など完全飼料を与える。この段階で一日一本のビールを毎日飲ませるが、これは牛の食欲増進のためである。

さらに、皮下脂肪を均−にするために、牛の体に焼酎を吹きかけてわらでマッサージする。そうすると一年後には、松阪牛特有の鹿の子模様の霜降り肉が生まれる。

すき焼き、ステーキ、刺身、網焼き用など色々ある。その他に「時雨煮」(上肉を細かく切り、甘辛く煮たもの)や味噌漬(特別の味噌に漬けたもの) 子供向きの「そぽろ煮」などがある。

【お問い合わせ】

和田金 〒515-0083 三重県松阪市中町1878
[TEL]0598-21-1188 [FAX]0598-26-1122 [HP]http://hp-mie.net/wadakin/

養肝漬【ようかんづけ】

白瓜に仕込んだ漬物

「養軒漬」は伊賀上野の城主藤堂高虎が陣中食として、この地の特産の白瓜、シソの味噌漬けを常備したのがはじまり。一口でいえば瓜の漬物である。

宮崎屋の製法は、白瓜(直径7cm、長さ18cmくらいの大きさ)のへたを落として穴を開け、竹べらで中身の種をかき出し、洗って水を切り、10日間くらい塩漬けにする。柔らかくなったところで空洞の芯に刻んだ野菜を詰める。野菜はシソ、ショウガ、ダイコン、キュウリなど。
味噌のたまりに約1年間漬け込むと白瓜に味が付き、ヨウカンのような色になる。
輪切りにして口に入れると歯切れの良い白瓜と刻んだ野菜とが相俟ってピリッとした味に仕上がる。保存食なのでかつて南極探検隊も持参したという。

輪切りにしてさらに4つに切って熱いご飯にのせてお茶漬けにするのが−番。おにぎりに入れたり、散らし寿司にも使える。

【お問い合わせ】

宮崎屋 〒518-0869 三重県伊賀市上野中町3017
[TEL]0595-21-5544 [FAX]0595-21-9625 [HP]http://www.ict.ne.jp/~myzky/

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

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