全国うまいもの

和歌山県

【県庁所在地】和歌山市【地方】近畿地方
【人口】994,600人(2011年11月1日現在)
【特産品】みかん、梅、はっさく、じゃばら
【県花】ウメ【県鳥】メジロ
【県木】ウバメガシ【県魚】マグロ

日本最大の半島である紀伊半島の西側に位置する県。果樹王国といわれ果物の栽培が非常に盛んで、特に県中部でのみかん栽培や御坊市を中心とする花卉栽培、田辺市を中心とする梅などの特産品がある。和歌山県沖に黒潮海流があるため漁業も盛んである。また特徴的な観光として社寺参拝があり、熊野三山への参詣道と高野山は、世界文化遺産に登録された。

和歌山県

なれ鮨【なれずし】

自然発酵のすし

「サバのなれ鮨」は別名「くされ鮨」ともいわれ、酢は一切使用しないで自然発酵させた鮨。この鮨はすしの原形とも言えるものだが、匂いが強く味にくせがあるので初めての人にはなかなか馴染めない。県内でも日高、有田地方の家庭が郷土の味として保存しているだけで、まさに純粋な紀州の味といえる。しかし一度この味をおぼえると病みつきになるそうだ。

「弥助寿司」では、原料の米はやわらかすぎて崩れないように、沸騰させたお湯の中に入れ薪で炊く。鯖は活きているものを背割りにして1ヶ月塩漬けにする。炊き上がった御飯を塩抜きした鯖にのせアセの葉で巻き込む。これを樽に詰め重石をして塩水を入れる。御飯が黄色く青カビが生えて来ると出来上がり。

漬けて1日たったものを「早なれ」、2日で「中なれ」、1週間たてば「本なれ」という。数百年にわたって受け継がれてきたもっとも原始的な保存食だ。

【お問い合わせ】

弥助寿司 〒640-8033 和歌山県和歌山市本町4-31
[TEL]073-422-4806 [HP]http://www5.plala.or.jp/yasuke/

うつぼ小明石煮【こあかしに】

見かけによらず美味

ウツボは海のギャングとも呼ばれ漁師の嫌われもの。手当たり次第に獲物を奪ってしまうからだ。しかしこのウツボは、グロテスクでどう猛な性格からは想像もできない淡白な味で、栄養価も高い。地元の人達はブツ切りにして味噌汁に入れるのが一番うまいといい、妊婦の乳の出がよくなるともいう。

ウツボには鋭い歯があリ、料理するには手間がかかる。しかし、今は塩に弱いウツボの習性を利用して調理する。ウツボに塩をかけるとあっさりとまいってしまい、体のぬめりも同時にとれる。

料理法は、内臓、中骨を取りのぞき背割りにする。これをカリカリに乾燥させ、ローラーにかけて小骨をほぐす。そして繊切りにし、醤油・砂糖・水飴などで甘辛く炊き上げる。仕上げに使う水飴が光沢を出し、見た目にきれいだ。コリコリした歯ざわりの良さと香ばしさが食欲をそそる。これが「伊平次屋」の「うつぼ小明石煮」だ。酒の着によし、お茶漬けによしの珍味である。

【お問い合わせ】

伊平次屋 〒649-3503 和歌山県東牟婁郡串本町串本1248
[TEL]0735-62-0026 [HP]http://www8.ocn.ne.jp/~marusa/sub9.html

ごまどうふ【ごまどうふ】

精進料理の栄養食

弘法大師が開山した真言密教の聖地・高野山に残る精進料理に、高野豆腐と胡麻豆腐がある。標高1000mの高地で植物性タンパク質を摂取するために、僧侶達が苦心して開発した栄養食。この豆腐が一般の人達の口に入るようになったのは、女人禁制が解かれた明治以降である。

「角浜ごまどうふ総本舗」でつくる「ごま豆腐」は、白ゴマと吉野葛だけを使い大豆は一切使わない。白ゴマの実を機械に掛けて液状にし、その中に葛を入れて固める。葛は煮詰めていくとゼラチンのように柔らかい長方形に仕上がる。出来たての「ごまどうふ」はプルンとした弾力があり、舌の上でトロリと溶ける。奥行きの深い上品な味である。

山葵をきかせたたまり醤油で刺身のように食べるのが最高。冷蔵庫で冷やし過ぎて固まったときは、汁に入れたり和え物にする。常温で1~2ヶ月は持つが、早めに食べるほうがよい。

【お問い合わせ】

角浜ごまどうふ総本舗 〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山262
[TEL]0736-56-2336 [HP]http://www.gomatohu.com/

ほろほろ烏くんせい【ほろほろちょうくんせい】

あっさりしたフランス風

ホロホロ烏は「ホロホロチョウ科」に属するキジ科の近縁。原産地は西アフリカで体高は60~70cm位で丸い体つきをしている。ホロホロ烏の歴史は古く、エジプト王朝歴代の王の強精・栄養食として用いられたと伝えられている。また、ローマ時代のシーザーとクレオパトラの仲を取り持ったのもホロホロ烏料理だったとか。

和歌山県中津村で飼育しているホロホロ鳥は坪あたり20羽を120日前後にわたって飼育するので身がしまって味にもコクがある。栄養的にはブロイラーの比ではなく、牛肉の高級ロース並だ。料理の素材としても刺身、天ぷら、ステーキ、しゃぶしゃぶ、どんぶり物などに適しているが、「くんせい」もまた味な物である。桜チップでじっくリスモークされているのでクセがなく、あっさりとしたフランス風の味覚である。

そのまま食べてもよく、ビールや洋酒のオードブルに最適。サラダ、サンドイッチにも合う。レモンを絞り掛けると美味しい。

【お問い合わせ】

道の駅 SanPin中津 〒644-1111 和歌山県日高郡日高川町船津820
[TEL]0738-54-0541 [HP]http://www.hidakagawa.net/category/sanpin-nakatsu/

なんばん焼【なんばんやき】

弾力性豊かな甘味

「なんばん焼」は南蛮焼とも書き紀州田辺でつくられるカマボコのこと。名の由来は、南蛮からきたからとか、トウモロコシの別名、また南蒲(なんぱ)という人が初めて考案したからともいう。

このカマボコはカマボコの原型である焼抜き方式。マルサ蒲鉾店では、原料にする魚はエソやグチの白身魚。新鮮なエソ、グチを3枚におろし、揺り身にし旨みを引き出すために1晩冷蔵庫にて寝かす。それを正方形の型に入れ、電熱器で約30分間丹念に焼く。焼き上がったら型を抜き、中心に丸い焼き色をつけて仕上げる。l辺が約13cmの「なんばん焼」はつやがあり、弾力性に富んでいて、味はほんのりとした甘みがあるのが特徴。魚皮で巻いて焼いた「ごぼう巻」もある。

【お問い合わせ】

マルサ蒲鉾店 〒646-0044 和歌山県田辺市福路町16
[TEL]0739-24-0220 [HP]http://www8.ocn.ne.jp/~marusa/sub2.html

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

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