全国うまいもの

鹿児島県

【県庁所在地】鹿児島市【地方】九州地方
【人口】1,698,845人(2011年10月1日現在)
【特産品】鰹節、黒豚、さつま揚げ、桜島だいこん、焼酎
【県花】ミヤマキリシマ【県鳥】ルリカケス
【県木】カイコウズ・クス

九州南部に位置する県。南側には薩南諸島が点在する。活火山の桜島をはじめ世界遺産の屋久島や、種子島宇宙センター、霧島山などがあり、自然・文化・観光・産業などの面において豊富な資源を有する。日本有数の農業県でありサツマイモ、サヤインゲン、鹿児島茶などが有名。また養豚も代表的な産業。伝統的に焼酎製造も盛ん。

鹿児島県

さつま漬【さつまづけ】

サクサクした歯ざわり

「さつま漬」というのは、鹿児島のシンボル桜島で育った大根を粕漬けにしたもの。地元の人が「シマデコ(島大根)」と呼ぶ桜島大根は、一株の重さが10〜20kgあり、胴回りは大きいものになると2mという超ジャンボサイズだ。しかし大きいからといって雑ではない。皮は真っ白でみずみずしく、肉質はしまっていて繊維が少ないほど甘味がある。

粕漬に使う桜島大根は12〜2月にかけて収穫したものを使う。中園久太郎商店では輪切りにして塩漬けにし、水分を抜く。塩分が偏らないようタテとヨコに交互に寝かせ、下粕に浸けて塩分を抜く。さらに酒粕、味醂、砂糖、水アメを調合した本漬の床に半年から1年間漬け込む。できあがった「さつま漬」は、べっこう色に輝き、大根の生の味わいに粕漬け風味がプラスされ、芳醇な香りをただよわせる。

粕をとり薄切りにして食べると、サクサクした歯ごたえがよい。保存は常温で3ヶ月間持つ。鹿児島県山川町の特産で有名な、寒風干しにした大根を臼でつき、柔らかくして洗い、風干しして1本ずつ塩もみした後、壷に漬け込み発酵させた「山川漬」。それを小口切りにして醤油に漬け直した「つぼ漬」もある。

【お問い合わせ】

株式会社中園久太郎商店 〒891-0514 鹿児島県指宿市山川大山860-2
[TEL]0993-34-1180 [HP]http://www.tuke-mono.com/

さつま揚げ【さつまあげ】

ひと味違う本場もの

「さつま揚げ」とは文字通り薩摩(鹿児島)の揚げ物だが、地元ではこれを「つけあげ」と呼ぶ。いまは全国各地でさつま揚げがつくられているが、やはり本場のものはひと味違う。

原料にする魚はエソ、グチ、ハモ、アジ、サバなどの近海もの。エソ、グチなどの白身魚は「上揚げ」と呼ばれる高級品に、サバなどは「並み」と呼ばれる普通品に使われる。徳永屋本店では、魚の頭や内蔵を取り除いた身に塩を加えて練り、さらにさつまの地酒を注いで練り合わせる。この地酒がすり身のコクを引き出す。型に入れて形づくりをし、油で3〜4分揚げると独特の淡褐色になりできあがる。これが長さ約6cmの棒状の薩摩揚げの<上揚げ>。できたてを口に含むと、キチキチした弾力のある歯ごたえ、口中に広がる甘さが心地よい。

軽く炙って生姜醤油をつけるのが最もポピュラーな食べ方。煮物やおでん種にも用いる。ほかに丸に十の字の入った「島津揚げ」も人気がある。

【お問い合わせ】

株式会社徳永屋本店 〒892-0842 鹿児島県鹿児島市東千石町4-23
[TEL]099-225-1726 [FAX]099-239-1777 [HP]http://www.tokunagaya.com/

山川漬【やまかわづけ】

コリコリした歯ごたえ

薩摩半島の南端にある山川地方に古くから伝わる大根の漬物。しなびてアメ色に染まったほのかな酒の香りのような芳醇さ、そしてコリコリした歯ごたえが「山川漬」の特徴。もともとは地元の漁師が船内で食べるために保存食としてつくられたものだ。

鹿児島漬物では、大根は開聞岳のふもとで育ったものを使う。この地方の土壌は火山灰を含んでいるので大根の育成に最適である。収穫は12月から2月にかけての厳寒期。大根は洗った後約40日間寒風にさらして掛け干しにするとしなびてくる。乾いた大根は肉質を柔らかくするために木臼に入れてたたきクタクタにする。さらに3日ほど乾かして塩もみし、大きな壷に並べて漬け込む。半年くらいたつと大根が自然発酵し、アメ色になると「山川漬」の出来上がりだ。

薄切りにして食べると、かめばかむほど味が出る。他に大根をきざみ、砂糖・酢で味付けした「つぼ漬」もある。

【お問い合わせ】

鹿児島漬物 〒891-0122 鹿児島県鹿児島市南栄3-21-2

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

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