全国うまいもの

京都府

【県庁所在地】京都市【地方】近畿地方
【人口】2,633,201人(2011年9月1日現在)
【特産品】宇治茶、大徳寺納豆、加賀みそ、京漬物
【県花】しだれ桜、嵯峨ぎく、ナデシコ
【県鳥】オオミズナギドリ【県木】北山杉

近畿地方に属する。794年の平安京遷都以来天皇の御所が在る。北部の丹後半島と舞鶴湾、若狭湾で日本海に面する。北部に丹後山地、福知山盆地、中央部に丹波高地、亀岡盆地、南部に京都盆地があり、府の面積の75%以上が山地・丘陵地である。京都市や宇治市といった観光都市を抱え、世界遺産も多く清水寺や金閣寺などさまざまなお寺がある。

京都府

志ば漬【しばづけ】

手造り一筋の本物の味

京都には80種類以上の漬物がある。「志ば漬」「千枚漬」「すぐき」の3つがつとに有名。この中で歴史が最も古いのは「志ば漬」である。源平合戦の折り、生命を長らえた建礼門院が、大原の寂光院で村人から献上され、賞味したと伝えられる。しかし事実はさらに古く、10世紀初めに編まれた「延喜式」に、この漬物のことが記されている。二条大橋に「加藤順漬物店」がある。歴史も古くなく店舗も目立つものではないが、味の良さが評判で昼過ぎには品切れになる。

作り方はまず紫蘇の葉を樽底に敷き詰め、淀産の胡瓜と茄子を並べ塩を振る。その上にまた紫蘇を敷いて幾層にも重ねた後、ふたをして重石をのせる。そして出来上がった「志ば漬」は歯ごたえと風味ともに絶妙で京の味がする。この他に胡瓜8対茄子2の「あじしば」や、胡瓜2対茄子8の「京舌づつみ」もある。。

【お問い合わせ】

株式会社加藤順漬物店 〒606-8382 京都市左京区二条大橋東入大文字町165-2
[TEL]075-771-2302 [FAX]075-752-0290 [HP]http://www.katojun.co.jp/

京の粕漬け【きょうのかすづけ】

旬の魚の酒粕漬

葵祭(5月)の行われることで有名な下鴨神社のそばに、京料理専門店「下鴨茶寮」がある。創業は安政3年(1857)。古い歴史を誇る店の多い京都の中でも指折りの老舗だ。この店の名前は新鮮な素材を生かした京の味として観光客にも広く知れわたっている。

その中で好評なのは、レモン、ワサビそしてゴマダレの3種類のじゅんさいを使った「じゅんさい弁当」、月替わり弁当の「味暦」などである。京の粕漬は四季折々の旬の魚貝類を上質な酒粕に漬けたもの。カツオ、サワラ、グジ、タラ、サケ、アカガイなどの中から好きなものを選べる。

食べるときは表面の粕を軽く拭き取り、サラダオイルでしめらせたアルミホイルに包んで焼く。酒粕の甘味がほのかに香り、魚の風味を引き立たせる。贈答品に絶好。他に京野菜の粕漬「伝統京野菜」、「老舗の味セット」も人気。

【お問い合わせ】

株式会社下鴨茶寮 〒606-0807 京都府京都市左京区下鴨泉川町1
[TEL]075-701-5185 [HP]http://www.shimogamosaryo.co.jp/

東山魚餅・鱧そうめん【ひがしやまぎょへい・はもそうめん】

上品な老舗の名品

「いづ万」は安政元年(1854)に創業した京都一の老舗かまぼこ屋である。この店の人気商品は「東山魚餅」。この名の由来は祇園の芸妓さんの艶やかな姿からきている。お餅のような形をした魚餅の原料はハモ、グチ、ニベ。魚をおろして摺り鉢で身をすり潰し、それを餅の形に整えてから焼き上げる。食べると歯ごたえがあり、舌触りも良好。このおいしさの秘訣は魚だけを使った手作りにある。食べ方はそのまま軽くあぶっても美味しい。

京都の人はハモ(鱧)が好きだ。夏の祇園祭を「はも祭り」と呼ぶように、京都人とハモは切っても切れない縁がある。「鱧そうめん」はハモをすり潰してそうめん状のかまぼこにしたもの。コシが強くハモのうま味がよく生きている。夏のものだからよく冷やし、ワサビ醤油やゴマ酢味噌で食べるとのどごしもよく涼味満点である。

【お問い合わせ】

有限会社いづ万 〒605-0062 京都府京都市東山区東大路西入林下町432
[TEL]075-531-4457

生湯葉【なまゆば】

味よし体にもよし

日本人と大豆は昔から密接な関係にある。大豆は東アジアが原産で、日本には弥生時代初期に中国から渡来したとされている。植物性蛋白質と油脂に富み、いろんな加工ができる。寺の多い京都では、精進料理の素材に「生ゆば」が古くから使われてきた。

享保元年(171)創業の「湯波半」は大豆加工品専門店で、昔から寺院にゆばを納めてきた店。大豆を煮てできた豆乳をさらに煮ると表面に薄い膜が張る。この膜を竹串で一枚ずつすくい取ったのが生ゆば。これを使っていろいろな製品をつくることができる。

ゆばをゆばで巻いて油で揚げた「切り小巻ゆば」、ゴボウ等を巻いた「八幡巻」、ユリ根、ギンナン、キクラゲを包んだ「牡丹ゆば」などが主な製品。「引き上げゆば」(生ゆばそのもの)は生のままワサビ醤油で食べるのがよい。製造日から4日間が賞味期限で要冷蔵。

【お問い合わせ】

湯波半老舗 〒604-0943 京都府京都市中京区麸屋町御池上上白山町
[TEL]075-221-5622

西京味噌【さいきょうみそ】

伝統の白味噌

京料理にはどうしても欠かせないのが西京味噌。京都の1年はこの白味噌の雑煮によってはじまる。天保年間の創業以来、200年もの間味噌造りに専念してきたのが本田味噌本店。古くから伝わる伝統の手法を踏まえ、京都ならではの風雅な味噌造りをいまなお続けている。当店の初代・丹波屋茂助が御所に白味噌と赤味噌を献上したのをきっかけに、京の味をめんめんと伝えている。

味噌の種類も豊富だ。進物用に最適の木樽入りは、西京白味噌、手づくり味噌、あさげ、赤みそ、赤だしの5種類の詰め合わせ。用途によって使い分けられるので便利。その他に7種類の味噌を詰め合わせた「七彩」、田楽味噌を加えた詰め合わせ「洛彩」、「木樽詰紅白詰合せ」、「木樽詰甘辛詰合せ」などがあり、それぞれ持ち味をだしている。いずれの製品もやわらかで薫り高く個性的である。

【お問い合わせ】

株式会社本田味噌本店 〒602-0904 京都府京都市上京区室町通一条上ル小島町558
[TEL]075-441-1121 [FAX]075-431-4110 [HP]http://www.honda-miso.co.jp/

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

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