全国うまいもの

山口県

【県庁所在地】山口市【人口】1,446,874人
【特産品】ふぐ、あじ、さば、いか、車えび、蒲鉾
【県花】夏みかんの花【県鳥】ナベヅル
【県魚】フグ

三方を海に囲まれ、その中央部を中国山地が横断している。県土の大半は山陽地方に含まれ、北部の萩市・長門市が山陰地方の西端にあたる。県庁所在地は県央部の山口市であるが、下関市・宇部市・周南市など経済規模で山口市をしのぐ都市が点在する。県魚に指定されている下関市のフグは日本一の市場取扱量を占める。

山口県

ふぐ薫製【ふぐくんせい】

技を尽くしたふぐ製品

関西より西の地域ではフグを「フク」という。呼び名の由来はさまざまだが「福を呼ぶ魚」だからというのが一般的。昭和20年代まではトラフグ(虎河豚)をはじめ、多くの種類のフグが越ケ浜沖でとれたが、乱獲がたたって最近は近海ではフグの姿を見ることができなくなった。

「松浦商店」の「ふぐ薫製」は、日本初の棒干し薫製である。ナゴヤフグの半身を10日間塩漬けにし、塩がなじんだところで水で洗い、塩抜きする。これを1日風干しし、樫のおがくずをいぶしてゆっくりと燻しあげる。きめの細かさを生かしたやわらかい舌ざわりは、日本酒にも洋酒にも合う、素晴らしい風味である。

「ふぐ茶漬」は天日で乾かした薄塩のフグの身に、海苔、胡麻、あられを加えたもの。「味醂干」は、3枚におろしたフグの身を、味醂に漬けて天日で乾かしたもの。そして抜群にうまいのが人気急上昇中の「ふぐぞうすい」だ。

【お問い合わせ】

有限会社松浦商店 〒759-4106 山口県長門市仙崎1151
[TEL]0837-26-0855 [TEL]0837-26-2002 [HP]http://www.fugushop.com/

ふぐ一夜干【ふぐいちやぼし】

生に近い風味

「フク」といえば下関、下関といえば「フク」。関東では「フグ」と濁るが地元では「フク」といい、福につながる縁起のよい呼び方とされる。「ふく一夜干」は、下関に水揚げされた新鮮なナゴヤフグ(ショウサイフグ)を材料に使う。「日高食品」で開発した秘伝の調味料に漬けたあと、一晩乾燥させて出来上がったものが「ふく一夜干」。生に近い状態だから生の新しいものと比べても味は劣らず、本場のフクの醍醐味を満喫できる。

この「ふく一夜干」を注文すると急速冷凍し保管器に入れて航空便で送ってくれるので、新鮮なまま家庭でも味わえる。その他に「ふく茶漬」、「ふく味醂干」、「ふく薫製」などを販売している。なかでもおすすめは「ふくのヒレ」。軽くあぶって熱燗に入れて飲むヒレ酒は左党にはこたえられない。

焦げ目が付くくらいに焼き、レモン、スダチ、カボスを絞ると風味がよい。賞味期間は3〜4位が最もうまい。

【お問い合わせ】

株式会社日高食品 〒751-0833 山口県下関市武久町2-8-5
[TEL]0120-31-2929 [FAX]0120-32-9291 [HP]http://www.hidakahonten.co.jp/

活車えび【いけくるまえび】

新鮮そのもの

車エビの体長は約15cm。なめらかで光沢のある甲殻、淡褐色の体色、尻尾は紫と黄の美しい姿をしている。天然ものの車エビが少なくなったため、最近は養殖ものが圧倒的に多い。

「瀬戸内海水産開発」では毎年3月〜4月にかけて抱卵した親エビを水槽に放流する。すると24時間以内に平均50万粒の卵を生む。この卵は20日ほどで1cmほどの稚エビに成長し、養殖場に移される。エサはすべて生餌で小エビや貝類を与える。約6ヵ月たって体長が15cmになると重さも30gまで成長する。水温が10度以下になると、エビは半冬眠状態になり、エサを食べず痩せ細ってしまう。そこで12月下旬には養殖場からエビを引き上げて商品として出荷する。

活車えびはなんといっても刺身だ。甘い舌ざわりとシャキッとした歯ざわりがたまらない。もちろん天ぷら、塩焼きにしても最高。

【お問い合わせ】

瀬戸内海水産開発

仙崎かまぼこ【せんざきかまぼこ】

塩味の辛口風味

蒲鉾は日本中どこでもつくられていて、味もそれぞれバラエティに富んでいるが、食通の支持を集めているのが「仙崎かまぼこ」である。

その人気のわけは、原料に近海でとれるエソの身だけを使っているからだ。エソはボラに似た魚で山口県をとりまく近海の砂泥地に生息している。4月になると産卵のために内海に入ってくるが、エソは蒲鉾の最良の魚として知られている。頭、内蔵、小骨を取り除いて開いた身を水洗いし、ミンチにかけたあと臼でこねる。これを板につけて焼いたものが「焼きぬきかまぼこ」である。調味料も塩だけだから弾力性があり歯ごたえのよい辛口の風味である。

切ってわさび醤油で食べる。酒の肴にとてもあう。

【お問い合わせ】

大和蒲鉾株式会社 〒759-4106 山口県長門市仙崎錦町1267
[TEL]0837-26-0611 [HP]http://www.yamato-kamaboko.co.jp/

甘露しょうゆ【かんろしょうゆ】

濃厚な味と香り

柳井地方でつくられる刺身専用の醤油で特産品である。この地方では刺身に使う醤油は「甘露」であり、煮物用や調味用とは区別して使い分けるのが当たり前とされている。「甘露」といっても甘味ではない。一般の醤油は味をつけるのに塩水を使うが、こちらは生醤油を使って再仕込みをし、二年越しの手間と時間をかけてつくる。塩分が少なくどちらかというと甘口で濃厚な味と香りがただよう。

この「甘露」は江戸時代の中頃からつくられていたが、藩外への持ち出しが禁止されていたので広く知られるようになったのは明治時代になってからである。最近は、時代の移り変わりにともなって“刺身”にだけでなく、いろいろ広い用途に用いられるようになっている。

刺身用ではあるが、ちり鍋、焼き肉のタレにも合う。やきとりや照焼にもぴったりである。

【お問い合わせ】

柳井醤油有限会社 〒742-0035 山口県柳井市中央3-2-35
[TEL]0820-22-0002 [HP]http://www.yanai-shoyu.com/

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

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