全国うまいもの

神奈川県

【県庁所在地】横浜市【地方】関東地方
【人口】9,052,730人(2012年4月1日現在)
【特産品】まぐろ、小田原蒲鉾、鎌倉ハム
【県花】ヤマユリ【県鳥】カモメ
【県木】イチョウ

関東地方の南西部に位置する県。人口は東京都に次ぐ第2位。人口密度は東京・大阪に次ぐ第3位。また県内の政令指定都市数は3つと日本最多。京浜工業地帯周辺における商工業の発展とともに首都圏エリアのベッドタウンとして発展し続けている。横浜みなとみらい地区をはじめ、横浜中華街、鎌倉・江ノ島、温泉地の箱根・湯河原、城下町の小田原、軍港都市の横須賀など観光名所も多数。

神奈川県

三年漬梅干【さんねんづけうめぽし】

まろやかな肉厚の実

小田原の梅干の歴史は古い。戦国時代の領主北条早雲が合戦の際の兵糧食として用いたことに始まる。「ちん里う」の初代は、江戸時代の藩主に仕えた料理人頭であり、明治維新の折、小田原藩主から(沈流=ちんりゅう)という屋号を授けられ、物を商うようになったという。家庭でもつくることのできる梅干を商品化するには並大抵の努力ではなかったそうである。

先祖代々130年間、梅干一筋にかけてきた努力の結晶が「三年漬梅干」である。
漬け方は、上質で粒ぞろいの梅の実を塩漬けにし、三日三晩むし干しする。これを樽詰めにして薄暗い蔵の中で3年間寝かせる。この三年の間に梅は塩になじみ、柔らかく滑らかな舌触りになっていく。取り出すと肉厚の実はまろやかな味だ。

そのままご飯の友に、弁当やおにぎりの具、梅肉にしてもよい。常温で長期保存ができる。

【お問い合わせ】

ちん里う 〒250-0011 神奈川県小田原市栄町1-2-1
[TEL]0465-22-4951 [FAX]0465-23-2535 [HP]http://www.chinriu.co.jp/

小田原蒲鉾【おだわらかまぼこ】

プリンとした歯ごたえ

「かまぼこ」といえば小田原の代名詞になるほど有名である。かまぽこの起源はたいへん古い。三韓(朝鮮半島)征伐の折り、神功皇后が生田の森ですり潰した魚肉を鉾の先に巻き付け、火にあぶって食べたのがはじまりという説がある。また、かまぼこと呼ばれるようになったのは室町時代。形が蒲の花穂に似ていることから「蒲穂子」、そして「蒲鉾」となった。

小田原は鮮魚の産地だが、この「土岩商店」で使うかまぼこの原料は白身魚のグチである。この魚は季節によって大きさや鮮度がちがうので均一性を保つのは難しいが、練り物にするにはもってこいである。腹を割いて水洗いしてから塩を加えて身をすり潰す。これに味醂・味の素等を入れて、細かくすり潰し、板に半月型に盛り付けて蒸せば出来上がる。

そのまま板わさで食べるのが最高。コシの強いぷりんとした歯ごたえが快い。保存は冷蔵庫で1週問、早めに食べきるのが良い。

【お問い合わせ】

株式会社 土岩商店 〒250-0021 神奈川県小田原市早川1-19-2
[TEL]0465-23-0361 [FAX]0465-22-8228 [HP]http://www.tsuchiiwa.co.jp/

梅花はんペん【ばいかはんペん】

無添加のはんぺん

鎌倉にある「井上蒲鉾店」は、大磯の本店から昭和6年に分家して店を開いた。鎌倉の味として有名なのが当店のはんペんやかまぼこである。

その中でも、最高傑作が「梅花はんペん」だ。原料の練り物には1級品のグチを使う。ていねいに練り上げたグチの身の水分を抜き取ってから塩を加え、時間をかけて練り上げる。これに出汁を入れてのばし、それから蒸し上げる。デンプンその他の添加分は一切使わない健康食である。
淡いピンクと白い梅の花の形に仕上がったはんペんは、ほどよい弾力性となめらかな味を兼ね備えている。
このほかに、かまぽこに貝柱の入った「貝柱新生」、玉子の白身を黄身で包んで蒸した「二色玉子」「小判揚げ」などがある。

そのままつまんだり、お椀の種に、生姜、大根おろしで食べるのもオツ。

【お問い合わせ】

株式会社 井上蒲鉾店 〒248-0014 神奈川県鎌倉市由比ガ浜1-12-7
[TEL]0467-22-1133 [FAX]0467-25-2092 [HP]http://www.inouekamaboko.co.jp/

糀入り烏賊塩辛【こうじいりいかしおから】

麹の風味がほどよい

この製品の元祖は江戸時代、美濃(岐阜)から小田原に移り住み、梅の栽培で財をなした浅井吉兵衛といわれる。その後、本格的に「いかの塩辛」を作り始めたのは五代目吉兵衛で享保年間である。この人は大酒のみとして名を知られていた。ある年、イカがとれすぎて相場が暴落し、漁師が困っているのを目の当たりにして残りのイカを全部買い上げた。しかし処理するには多すぎるので塩と麹の中に漬け込んだところ、風味の良い塩辛になっていたという。これが「糀入り烏賊塩辛」のはじまりである。

塩辛の命はイカによってきまる。夏のイカは水分が多くて適さない。作り方は、イカの身とわたを塩漬けし、塩がなじんだ頃の身を細かく切る。わたは裏漉しして切り身と混ぜるが、わたの配合量が味を決める。これに砂糖・味醂を加え、糀に約1週問漬けると糀の甘い香りのする塩辛が出来上がる。

【お問い合わせ】

株式会社 美濃屋吉兵衛商店 〒250-0862 神奈川県小田原市成田944-6
[TEL]0465-39-2450 [FAX]0465-37-9260 [HP]http://www.minoya450.co.jp/

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

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