全国うまいもの

佐賀県

【県庁所在地】佐賀市【地方】九州地方
【人口】846,843人(2011年10月1日現在)
【特産品】佐賀牛、いちご、嬉野茶、小城羊羹、松露饅頭
【県花】クスの花【県鳥】カササギ
【県木】クスの木

九州地方の北西部にある県。日本海と有明海の二つの海に接する。佐賀平野を中心に穀類を中心とした農業が、入り江の多い玄界灘に面する北西部では果樹農業や畜産、沿岸漁業が盛んである。有明海に面した県南地域では海苔の養殖が盛んである。また県西部の唐津・伊万里・有田などは古くから陶磁器の産地として有名。

佐賀県

わらすぼ【わらすぼ】

有明海の珍味

有明海には珍しい魚や生物がいるが、「ワラスボ」もムツゴロウとともにその一つに数えられる。漢字では「藁素坊」と書き体長30cmほどになるハゼ科の魚で、口が大きく鋭い歯をもっている。乾かすと細身の藁束そっくりの姿になるところからこの名がついた。見栄えはしないが栄養価は高い。

ワラスボは有明海の干潟の泥の中に棲んでいるために、眼は退化し、何も見えない。旬の5月~8月になると盥(たらい)に乗った漁師が柄の長い網で泥まみれになったワラスボをすくい上げる。そしてきれいに洗い、2日ほど天日で乾かせば食べられるようになる。生のワラスボは切り身にして赤出汁の実にすれば風味は格別。だがもっともうまい料理法は蒲焼きか照り焼きだ。干物は昔、大漁のときに保存食用に考え出されたもの。

そのまま火にあぶって酢醤油か酢味噌で食べる。油で妙めて塩コショウで。乾いたままをちぎって食べると淡泊な味わいだ。

【お問い合わせ】

福屋 〒849-0402 佐賀県杵島郡白石町福富下分2884-1

松浦漬【まつうらづけ】

鯨の軟骨の粕漬

かつては玄界灘海域でも多くのクジラ(鯨)がとれた。唐津から北へ16km離れた松浦半島にある呼子(よぶこ)は、江戸時代の捕鯨墓地でシロナガスクジラやイワシクジラなどが水揚げされていた。幕末には、このクジラを追ってオランダやアメリカの捕鯨船団が日本近海に姿をあらわしていたという。

はじめは脂をしぼることが捕鯨の日的だったが、今は食用としての価値が高く、頭から尾っぽ、ひげまでまったく捨てるところがない。クジラの頭部にはカブラ骨とか無骨と呼ばれる軟骨があり、これを細かく切って酒粕に漬けたのが缶詰の「松浦漬」である。

軟骨を短冊型に切り、脂を抜いて水にさらし、約2週間塩漬けにする。これを酒粕・味酬・砂糖などを混ぜ合わせた中に漬ける。漬け上がった松浦漬けはアルコールがよくしみこみ、芳醇な香りとコリコリとした歯ごたえがたまらない。

【お問い合わせ】

有限会社松浦漬本舗 〒847-0304 佐賀県唐津市呼子町殿ノ浦5
[TEL]0955-82-0180 [HP]http://www.matsuurazuke.com/

真かに潰【まかにづけ】

コリコリした歯ごたえ

有明海に珍しい小ガ二がいる。地元の人が「ガ二」と呼ぶシオマネキ科の小さなカニで片方のハサミが異常に大きく、これを上げ下げする様子がユーモラスである。有明海の河口に茂る葦(アシ)に棲み、春先から暑い盛りまで活動する。

この小ガ二をすり潰して唐辛子の入った調味液に漬ける。力二が小さいので身は少なく、甲羅や殻の歯ごたえが珍味。漬け方は、まず食用にならない膜の皮(ツウという)を取り除き、大臼で杵を使ってつぶす。つぶすときは甲羅や脚の原型がある程度残るようにするのがコツ。これに唐辛子、塩、化学調味料を加えて2ヶ月ほど漬け込むとできあがる。味は少々塩がきいていて塩辛いが、カニから出た汁と唐辛子がほどよくなじみ、ド口臭さもない。こりこりした歯ごたえが楽しい。ご飯のおかずによいがやっぱり酒の肴が一番合う。

【お問い合わせ】

江頭食品本舗 〒840-2212 佐賀県佐賀市川副町犬井道685
[TEL]0952-45-0030

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

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