全国うまいもの

埼玉県

【県庁所在地】さいたま市【地方】関東地方
【人口】7,204,353人(2012年4月1日現在)
【特産品】狭山茶、草加煎餅、深谷ねぎ
【県花】サクラソウ【県鳥】シラコバト
【県木】ケヤキ【県魚】ムサシトミヨ

関東地方中央、東京都の北に位置する県。貿易港や臨海工業地帯を有さないものの、東京のベッドタウンとしての性格が強く、南側ほど人口が密集し北側は農地が多い。人口および県内総生産は共に第5位、農業産出額も高く千葉・茨城とともに首都圏における近郊農業の盛んな地域である。さいたま市は内陸県にある最大規模の都市で、政令指定都市及び業務核都市に指定されている。

埼玉県

岩茸【いわたけ】

希少価値の珍味

「岩茸」はその昔、仙人が常食するもので健康と不老長寿をもたらすと信じられていた。大名家に献上されるときは桐箱に入れ、さらに袱紗(ふくさ)に包んで運ばれたという。
岩茸はキノコではなくコケ(苔)の一種である。手のひらくらいの大きさで表面はすすけて黒ずみ、裏は鮮やかな白色で香りはほとんどない。

現在、岩茸がとれるのは埼玉県秩父の山奥と四国の秘境だけである。秩父・三峰の切り立った崖の岩肌に密生しているところへロープを使って降り立ち、片手で岩茸をむしり取るという大変危険な仕事だ。作業は雨の日の翌日にする。というのは天気がつづくとぱりぱりになって砕けやすいからだ。

調理法は、ぬるま湯につけて洗い、茹でてから水にさらして絞る。「酢の物」は甘酢にしたほうがよい。細かくきざんで味噌と胡麻に醤油を垂らした「味噌和え」もオツである。山菜料理の王様だ。

【お問い合わせ】

千島茂 〒369-1901 埼玉県秩父郡大滝村716
[TEL]0494-54-0036

狭山茶【さやまちゃ】

差しのきくお茶

西武池袋線・入間駅からバスで20分行ったところに「狭山茶」の本場がある。見渡すかぎりの茶畑が広がっていて、ここには県立茶業試験所も建っている。

「狭山茶」は、古来より山城、大和、伊勢、駿河と並んで名園五場のひとつに数えられている。その伝来は、800年ほど前に明恵上人が中国から持ち帰った茶種を植えたのが始まりといわれているが、少なくとも江戸時代の文政・天保のころには「狭山茶」としてその存在が知られるようになった。
ここでは、八十八夜から少し遅れて、5月の中旬から下旬にかけての一番茶、7月上旬の二番茶と二回しか摘むことができない。「狭山茶」は、深蒸し製茶といわれる製法で、一度蒸してから精製する。まず、摘み立ての葉を蒸してからもみ、ねじってから乾燥させる。茶柱状にして長さをそろえ、水分を約3%になるように強火を入れる。

「狭山茶」の葉は肉が厚いので二度、三度と湯をさして飲める「さし」がきく。味と香りがよく中味が濃いのが特徴。

【お問い合わせ】

丸山園製茶工場 〒358-0031 埼玉県入間市大字新久688
[TEL]04-2962-4369

草加煎餅【そうかせんべい】

元祖手焼きせんべい

いま草加には100軒を越えるせんべい店があるが、この中で最も古い歴史をもつのが「小宮せんべい本舗」だ。製造過程は、まずウルチ米を粉にして蒸し、よくこねたあと薄い生地にのばして丸く抜き、天日に干してよく乾かす。火にかけた金網に干した生地を並べて置き、コテのようなもので何十回となく押す。表側ができ上がると裏返し、表側にした作業を繰り返してていねいに一枚ずつ表面を両面を焼いていく。仕上げに使う醤油は銚子の野田醤油、炭は紀州の備長炭と決まっている。この方法で100年余りせんペい造りをしているのはこの店だけ。古くから草加地方は沼地が多く、良質の水が豊富に湧き出ていたことと、せんペいの原料になるウルチ米に恵まれたことがせんべいを生み出した。炭火で丹念に焼いた醤油味がパリッと音を立てて爽快。

【お問い合わせ】

小宮せんべい本舗 〒340-0017 埼玉県草加市吉町5-4-8
[TEL]048-922-3792 [FAX]048-922-3790 [HP]http://www.komiya-senbei.co.jp/

豚味噌漬・しゃくしな漬【ぶたみそづけ・しゃくしなづけ】

秩父の里の贈り物

大自然に恵まれた秩父では養豚が盛んである。秩父地域地場産業振興センターでは、地元の豚肉を地元の味噌で漬けた「豚味噌漬」をつくっている。7〜8mmに薄切りした豚ロ−ス肉を秘伝の調味料でゆるめた麦味噌に漬け込む。
食べ頃は、夏で3〜4日、冬で1週間。したがって発送は漬けてから2日を目安としている。食べるときは洗わないでよく拭き網焼きにするのがうまい。

しゃくしなの正式な名称は雪白体莱(せっぱくたいさい)といい、江戸末期に中国から伝わったとされている。10月に収穫したしゃくしなを干さずに薄塩で約1ヶ月間漬け、さらに漬け直すと出来上がる。薄塩に仕上がっているので柔らかく風味も申し分ない。

食べ方は、切ってそのままご飯のおかずに、細切りにしてお茶漬けに、油で炒めてもよい。青葉の部分でおにぎり、巻き寿司もできる。

【お問い合わせ】

秩父地域地場産業振興センター 〒368-0046 埼玉県秩父市宮側町1-7
[TEL]0494-25-0088 [FAX]0494-22-3384 [HP]http://www.jiba.or.jp/chichibu/

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

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