今月の絵献立

「文月の献立」企画部長 三浦健二(横浜ロイヤルパークホテル日本料理四季亭)

先附
  • 水雲(もずく)は色出しした後5mm程度に庖丁します。オクラは茹でた後細かく刻みます。長芋は生で食感を残す程度に細かく刻みます。昆布出汁1升に55gのゼラチンを煮溶かし常温まで温度をさげた後それぞれを合わせセルクルに三段に流し冷やし固めます。土佐酢1升に30gのゼラチンを煮溶かします。酢〆した鯵をゼリー寄せに盛り付け、土佐酢ゼリーを掛けて新生姜、茗荷子、縒り独活(うど)を天盛りし供します。
前菜
  • 茹で玉子の黄身を裏漉しし砂糖・塩・薄口醤油で味を調え、生の黄身を加え生地を作ります。鰻の蒲焼きを縦に庖丁し、玉子生地で巻き外側を錦糸玉子で巻き蒸し上げます。
  • 合鴨ロースに1%の岩塩を振りなじませ真空パックに入れ57℃で1時間30分蒸し上げた後、取り出し水分を良く取り黒胡椒を振った後、皮目をフライパンでこんがりと焼き更にアルミホイルで包み予熱で芯温を上げます。
  • 鱧の子は霜降りした後ぬるま湯で良く晒し脂くささを取り除いた後、味淋八方出汁に針生姜を加え焚き、焚いた地にゼリーを加え丸く煮凍らせます。
  • 百合根を蒸し裏漉しします。強力粉、薄力粉を同割で合わせ、先の百合根と同割の合わせ粉を加え水・塩を更に加えよく捏り20分寝かします。
  • 枝豆を茹でた後、裏漉しし、砂糖を加え鍋で練りずんだあんとします。百合根の生地でずんだあんを包みフライパンで焼いた後蒸し上げます。
  • 新蓮根は浅目に茹で甘酢に漬け込み後赤ワインの香りがつく程度に漬け込みます。大きめの青柿の葉にそれぞれを盛り込み供します。
お椀
  • すっぼんは捌いた後、霜降りし薄皮を取り除き、すっぽん一杯に対し水6合、甘口酒6合を加え50分程アクを良く取りながらスープを取り、上がりに薄口醤油と味の素を入れ味を調えます。福子は塩身とし庖丁します。鮑は塩蒸しとし、車海老は霜降りした後、背をかるく開いておきます。冬瓜は楓に抜き、葉脈を彫り、茹でておきます。それぞれを鍋に盛り込み、スッポンスープを張り火に掛け熱々を供します。
造り
  • 蓼の葉を良く当たり、白漉し味噌を加えて更にちどり酢を加え、薄口醤油・煮切り酒で味を調え蓼酢味噌とします。氷器に鮎の洗い、背ごしを盛り込み、冬瓜で作った蓋を添えて供します。
台の物
  • 鱧は開いた後、片身に分け皮目から骨切りします。フライパンに大白胡麻油を引き、火を付ける前に鱧を乗せ、落とし蓋で軽くおさえながら皮目をパリッと焼き、簾焼きとします。
  • 丸十を山梔子(くちなし)で色を付けた後、裏漉しして鍋で砂糖を加え練り込みます。冷ました丸十に海老そぼろを加え、ザックリと混ぜ二つの丸に取り、松葉を刺して桜桃とします。
  • 万願寺の種を取り、笹切りにしてサッと油で炒め、濃口醤油で味を調えて風を当て、急冷し胡麻をまぶしてきんぴらとします。
  • 玉蜀黍(とうもろこし)の粒をバラして小麦粉、大和芋と水を少量加え、丸に取り、油で揚げます。
  • 手長海老は素揚げして塩を振ります。
  • 白芋茎は生のまま小口から切り、打ち粉をして新挽粉をつけ、油で揚げます。
  • 団扇の器にそれぞれを盛り込みます。
煮物
  • 丸茄子は皮を斑に剥ぎ、六つに串切りし油で色良く揚げ、三つを抱き合わせて丸く絞ります。茄子形の器に盛り、蒸器で熱々にし生雲丹を乗せて鼈甲餡を掛け、隠元を添え針に刻んだ山葵を天盛りします。
強肴
  • 黒毛和牛を薄くスライスし、68℃の湯で泳がしながら程良く脂を抜き冷しゃぶとします。紅葉卸しにポンズ、豆板醤、浅葱を加えちり酢とし、肉に乗せて巻き上げます。白葱、胡瓜、人参、セロリはそれぞれ針に庖丁し、サッと混ぜ合わせ水に浸しザルに上げます。良く水切りした野菜にサラダ油をからませた後、塩・ポンズで味を調えます。
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