今月の絵献立

「新春のお献立」理事 藤田賀久(第一ホテル両国 日本料理さくら)

前菜
  • 長芋このわたは、長芋を寸切りにし水に晒し塩水に浸けます。水気を取り器に重ね盛りしこのわたの塩辛を掛け、花山椒を乗せて長芋海鼠腸(このわた)とします。
  • 福良鮑は、活鮑の殻と身を良く洗い、昆布を敷き清酒をかけ塩を打ち、6時間蒸し煮にした後、小角に庖丁します。
  • 唐墨は血抜きし、焼酎1,800mlに対し350gの塩に漬け、押し固め干します。上がりにオリーブ油を塗り真空にし冷蔵庫で味がなじむまで2ヶ月寝かせ、皮を剥き厚めに庖丁します。
  • 金柑伊達巻は、金柑の表面に庖丁目を入れ、2回茹でこぼして種を取り除き蜜で焚きます。後、みじんにして生身150g、全卵3個、卵黄7個、砂糖80g、薄口醤油15g、味醂15gの生地を合わせて蒸し焼にし、温かい状態で巻きすにて丸めラップで棒状にします。後、冷やし固め庖丁します。福良鮑、金柑伊達巻、唐墨を松葉串に打ちます。
  • 門松・牛タン燻製は、生牛タン磨きに塩20g、白胡椒4g、実山椒3gを擂り込み、袋に入れて焼酎を1合入れ7日間漬込みます。後、水に2時間晒し、塩とアルコールを抜きます、水気を取り、塩30g、砂糖25g、粉山椒少々、有馬山椒少々を真空パックして75℃の湯に1時間30分湯をして氷にて冷まします。袋から出してタオル等で水気をふき取り、3時間冷蔵庫にて乾燥させ、200℃で10分焼き、スモーク(ヒッコリー)にて56℃で30分燻します。1日なじませパックして出来上がりです。牛タン燻製はタンモトを使用、庖丁して盛付けます。菜の花は茹でて薄めの浸し地に漬け、牛タンと共に添えます。蛸は出汁8、濃口醤油1、味醂1、砂糖適量の出汁を作り蒸し煮にします。
  • 干し柿は割って広げてつぶし、無塩バターを挟んで博多にします。車海老は湯がいて皮を剥き、吸地位の出汁に漬込みます。
    これらを門松の器に色よく盛り付け、前八寸とします。
椀盛
  • 仙台もち豚と合鴨はミンチにします。もち豚は脂が強いので酒にて煎り込みます。煎り込み豚100g、鴨300gに卵黄3個、山芋、酒・濃口醤油・味醂を加えて練ります。合わせたらみじんの牛蒡を加えラップに包み10分蒸します。大黒湿地は庖丁して湯がき、薄口醤油八方地で含ませます。丁字麩は水に1日浸してもどし水気を取り吸地にて含ませます。鶯菜は皮を剥き色好く湯がきます。京人参は湯がき結びにします。全てをバランス良く盛付けして吸地をはり、生姜汁を加え金箔を乗せます。
造里
  • 造里は、初釜氷なので茶釜見立ての氷を作ります。
  • クエは水洗いして3日ほど冷蔵庫にて寝かせ、エージングした後、三枚におろして柵取りします。背の部位を使い、皮目に軽く塩を打ち両面をバーナー又はコンロにて炙り、冷水に落とし冷します。そぎ身にして3枚重ねとし、小角本鮪、墨烏賊を氷に盛り付けし、縒り京人参・花穂・紫芽・山葵・酢橘等の芽物を添えて懐紙を敷き、茶釜氷を乗せます。
焼物
  • 焼物は海老芋紅白田楽とします。海老芋の皮を剥いて湯がき、鰹出汁・酒・薄口醤油・砂糖・味醂・爪昆布にて含ませます。
  • 冷まして筒抜型にて縦に4つほど抜いて固めの白玉味噌を詰め、同様に赤玉味噌も詰めます。斜めに庖丁して焼いて海老芋紅白田楽とします。甘鯛は三枚おろしして塩をあて骨を抜き、切り身にして串を打ちます。かけ地は、白酒に酒・薄口醤油・味醂の地を作りかけ焼きします。
  • 焼き上がりに、白酒・砂糖・メレンゲの泡を作り白酒メレンゲを甘鯛の天に乗せて焼き、黒豆艶煮を乗せます。
  • 芽慈姑(くわい)は皮を剥き、雲丹衣、練り雲丹30g、卵黄3個、小麦粉の衣を作り実に付けて揚げます。
  • 抹茶蕎麦を松葉に見立て、紅白玉麩を付けて飾ります。全てを宝楽の器に色よく盛り付けます。
煮物
  • 鰤奉書山椒煮は、鰤を2cmの正方形に柵取りし霜降りします。
  • 聖護院大根は、桂剥きにして薄めの立塩に浸け、柔らかくします。
  • 鰤を巻き込み3cm位の大きさにして干瓢にて結び、昆布出汁・砂糖・白醤油・味醂にて白く煮ます。上がりに実山椒を入れ山椒を加え、鰤奉書山椒煮とします。新竹の子を湯がき、鰹出汁・砂糖・薄口醤油・味醂にて含ませます。絵馬型に庖丁し、絵馬竹の子とします。
  • 鉤蕨は色出しして薄口八方地に浸け、器に盛り付け木の芽を漆えます。
食事
  • 蟹味噌H茶漬は、ズワイ蟹味噌を取り、塩・煮切り味醂・濃口醤油にて味を調え、蟹身と柚子胡椒を加えて御飯の上に盛り付け、九条葱とぶぶあられを添え鰹出汁をかけて食します。
香の物
  • 若大根べったら漬は、ミニ大根を使用し、皮を剥かずそのまま立塩に1日漬け、コシヒカリ2合、水540ccにて土鍋で焚きます。焚き上がったら糀266gと熱湯60℃を200cc加え、6時間保温して発酵させ甘酒を作ります。砂糖・塩を加え、冷まして大根の水気を取り、3日間漬けて赤蕪漬・芝漬と共に盛り付けます。
甘味
  • 熟柿は富士柿を使用します。1ヶ月間熟させて冷凍します。
  • 富士柿は糖度が高いため、がりがりに凍りませんので軽く表面を解凍すれば庖丁も入ります。碾茶(ひきちゃ)は抹茶粉を湯にてひき、生クリームと砂糖少量を加えてエスプーマに入れ、泡碾茶とし熟柿ソルベに添えて甘味とします。
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