今月の絵献立

「秋酣の正餐」総務部長 加藤允人(ホテル雅叙園東京)

前八寸
  • 酢橘は菊釜に庖丁します。
  • 蛤は殻から外し、掃除して腸も取ります。酒・水・濃口醤油・たまり醤油・砂糖、叩き実山椒で合わせ地を作り、常温から火に掛けてゆっくり80℃まで上げ、味を含ませ一晩寝かせた後、軽く干します。クリームチーズは、24時間西京漬けとし、天火にて焼きます。各々を桜チップで3分間燻製にします。
  • 穴子は開き、酒・水・濃口醤油・味醂・砂糖で柔かく炊き上げた後、裏漉しします。全卵10個、卵黄20個、擂り身500g、砂糖230g、薄口醤油少々の厚焼の地2に対して穴子1を合わせ、八方地で含ませた千切り野菜を加え、焼き上げます。
  • 砂肝は、掃除して酒2、濃口醤油1、ウスターソース1、味醂3の合わせ地をひと煮立ちさせた所に入れ、密封して3分蒸し氷水にて冷します。卵黄10個に生雲丹20g、練り雲丹10gを合わせて味を調え、二枚鍋で雲丹金団に仕上げ羽二重漉しします。
  • 才巻海老と茶豆は、塩茹でした後、琉拍色に色付けしたゼリー地で、筒状の物に流し冷し固めます。
  • 鯖は三枚におろし、塩に5時間、少し砂糖と薄口醤油を加えた酢に1時間漬けて一晩寝かせます。色出しした白板昆布と共に押し寿司とします。
椀盛
  • 鱧は骨切りし、2.5%の塩を加えた昆布出汁にて湯取ります。鶏挽き肉は、半分を酒煎りし、二割の鴨挽き肉と共に当り鉢で当たり、大和芋、卵黄、微塵玉葱を加えて味を調え、安平に取ります。長葱は、庖丁でへぎ頃合いに庖丁して良く水に晒します。
造り
  • 明石鯛を用いて薄作りとし、塩蒸しの鮟肝と赤貝を彩り良く盛り、厚紙で立田川に見立てたものを添え、紅葉を散らします。
焼肴
  • 甘鯛は、三枚におろして上身とし、2時間塩を当てた後、玉酒にて洗い、70g程に庖丁します。水1,400ccに、剥き銀杏300gを加えミキサーに掛け裏漉しします。吉野葛300gと共に鍋で練り、味を調え頃合いに庖丁した銀杏を加え、火が通ったら焼いた甘鯛に鞍掛けします。天火にて焼目を付けます。栗は、甘露煮にしておき金平牛蒡の上がりに加えます。
煮物
  • 石川芋は、良質で小ぶりのものを求め、直炊きとして濃口醤油・味醂・砂糖で下味を調え、上がりに酒煎りした鮑を加え照り煮とします。春菊ととんぶりは、八方地に漬けておきます。
油物
  • 帆立をペースト状にし、擂り身と玉子の素と同割で合わせ、二割の大和芋を加えて味を調え、しん薯地を作ります。鮑の殻に先のしん薯地を塗り、フリーズドライの慈姑(くわい)を振り色良く揚げます。
食事
  • 丸は、捌いて戻した後、酒・水・薄口醤油でさっと照り煮としておきます。薄めの鰹出汁にスッポンスープを少量加え、先の丸を頃合いに庖丁したものを共に雑炊に仕上げます。べっこうあん、浅葱を添え、たっぷりの露生姜で供します。
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