今月の絵献立

「五月の献立」理事 多賀好広 (エクシブ有馬離宮)

旬菜
  • 木の芽酢ジュレは鰹出汁・薄口醤油・味醂・砂糖を火にかけ沸かして火を止め、酢を入れ追い鰹をします。合わせ酢を漉して、300ccに対して板ゼラ5gを入れ、木の芽を荒く刻んだものを混ぜて流し缶にて冷し固め、くずして盛ります。
  • 神戸トマトは湯剥きし、庖丁します。
  • 活け車海老の頭を取り、180度に熱した油でさっと湯通しをし、海老の表面だけを色出しし氷水に取り、流水で油を完全に流し終わったら皮を剥きます。
  • 活けまだか鮑は、かるく洗いスライスした大根と少量の酒と一緒に真空パックをして蒸し器にかけ軟らかく戻します。
  • 蚕豆は水と砂糖でうす蜜を作り、薄皮を剥いた蚕豆をうす蜜でさっと炊き、火が通ったところで鍋のまま氷水で急冷します。
  • 細めの新蓮根を選び、皮をたわしでこすり剥きし、厚めにスライスをして、食感を損なわぬようにさっと湯にくぐらせ、冷やした薄めの甘酢に浸けます。
  • 蓮芋は皮を剥き適度な太さに裂き、酢を入れた湯でボイルし、さし 昆布をした味塩に浸けます。
  • 人参を針に打って吸地あたりの地でさっと炊き、冷まします。
椀盛
  • 黒毛和牛いちぼを掃除し、3~4つのブロックに切り分け霜降りをします。たっぷりの野菜のくずと一緒に水から5~6時聞かけて柔らかくなるまで戻します。もどした地の上に浮く油をすべて、すくい取って捨て、シノワにて漉します。全体の二割の酒を使用し、薄口醤油・濃口・味醂で味を調え、いちぼを炊きます。焚いた地をネルで漉して一番出汁と割り、吸地を作り丸仕立てとします。
  • 葉牛蒡は茹でて吸地あたりの地に浸します。
  • 冬瓜は青身を残して皮を剥き、皮目に塩と重曹をすり込み茹でます。処理した冬瓜は肉のスープで柔らかく炊き上げます。
  • 芽葱は天に盛ります。
  • 黒胡椒はその都度、ミルで引き吸口とします。
造り
  • 細魚(さより)藤造りは、きれいに腹を洗った細魚を、三枚におろして皮を引き、骨を抜き庖丁して藤の花型に盛り、上に穂紫蘇をちらし藤の花に見立てます。
  • 国産のレモンを横にし、上部の三分の一をはねます。はねた処に庖丁した伊勢海老の身を盛ります。はねた部分のレモンをもう半分にーぎ、伊勢海老の上に重ねレモン〆とします。
  • 山独活は皮を剥き酢水に取り庖丁し、あしらいしとます。
  • 重湯を裏漉しし、擦り鉢で当たり裏ごしした大葉を混ぜ、煮切り酒、土佐醤油と合わせます。灰汁止めのために、ほんの少量の旨み調味料を入れます。
凌ぎ
  • 黒米を一晩浸水し、もち米は磨いでから1時間浸水します。黒米2に対してもち米8で合わせ、一晩水出しした昆布出汁に、塩と酒であたりを取り、ヤットコ鍋にて木蓋を使用して直火炊きします。冷ましてから適当な大きさに平たく丸めて、フライパンにたっぷりのサラダ油を敷き、少量の塩、胡椒でフライのように両面をカリッと焼きあげます。
  • 活けの毛蟹を、2.5%の塩水で湯がき、裏返しに陸揚げし、冷めて身が落ち着いたところでさばいて身をむしり、毛蟹の味噌と混ぜます。
  • 太めの白葱を小口に刻み、軽く揉んで晒し葱の香りを適度に抜きます。
  • 花山椒は立塩で茹でて陸揚げし、冷した茹汁に浸してから、天盛りとします。
焼肴
  • 水2、酒1、酒盗1を火に掛け煮出して酒盗地とし、三枚におろした太刀魚の身に塩をあて、1時間おいてからドリップをふきあげて酒盗地に10分程度浸し、身を端から渦巻き状に巻き串を刺し焼きます。火が通ったところで酒盗地をくぐらせた蓼の葉を貼り付け、さっと炙り仕上げます。
  • 糠ゆがきした姫竹は陸揚げで冷まし皮を剥き、半日ぐらい流水で晒します。岐阜県美濃地方の田舎味噌を使用し、濃い目の味噌汁ぐらいの当りを取り、葉山椒(地芽)を入れ炊き上げます。炊いた姫竹を陸上げしバーナーでさっと焼き目をつけます。
  • 椎茸は味を凝縮させるため、両面から鉄板で押し焼きします。酒と塩を振り鉄板で上から重しをしながら椎茸が厚さ五mm程度になるまで焼き上げ、仕上げに清ましバターを薄く塗り、辛子を少量乗せます。
  • 茗荷は、湯通しをし盆ざるに陸上げし、塩を振り冷まします。後、甘酢に漬けて色と味が馴染んだら庖丁し、あしらいとします。
  • 蓼の葉を細かく庖丁で叩き、大根.卸しと混ぜ合わせ薄口醤油で味を調え、絞り過ぎないようにして、山に取ります。
煮肴
  • 汲み上げ湯葉を深めのバットに入れ、濃い目の一番出汁400cc、薄口醤油35cc、味醂35ccを鍋で川沸かし、湯葉の入ったバットに流し入れ、落しラップをして、その上からアルミホイルを掛け80度で20分蒸し煮にします。後、急冷して、味を含ませます。
  • 鱶鰭は戻し済の物を使用します。バットに鱶鰭を並べ、濃い目の一番出汁に少量のチキンコンソメ・薄口醤油・塩で味を調え、生姜、葱を入れ、先の物に沸かした地を流し入れて落としラップをし、アルミホイルを掛け、95度で1時間蒸し煮にします。その後、あら熱がとれたところで陸上げし冷まします。
  • うるいは蛸糸でしばって茹で、塩分1%の昆布出汁に浸します。
  • 百合根は掃除をして盆ざるに広げ蒸します。蒸しあがったら塩を振り冷まします。
  • 湯葉を蒸し煮にした地に薄口醤油・味醂で味を調え、共地とします。
  • 材料を盛り付けし、擦り卸した生姜の露を2、3滴垂らし仕上げます。
食事
  • 米3合に対し180gのうすい豆を使用します。半分のうす豆90gを1%の塩水で茹でて、茹で汁ごと冷まします。残りの半分の90gのうすい豆は生のまま荒微塵にしておきます。先の豆の茹で汁にさし昆布をし、御飯を炊きます。むらしの段階で荒微塵にした、うすい豆を生のまま入れて土鍋ごとラップに包み、温蔵庫で15分間蒸らします。提供する直前に茹でておいた90gのうすい豆をいれ、客前にて混ぜ合わせ提供します。
  • 神戸肉の切り落としをざるに入れ、湯の中でほぐしながら、霜降りをし、よく水をきります。水・酒・味醂・濃口醤油・赤酒・砂糖を合わせ、灰汁を取りながら色良くつめ上げます。あがりに針生姜を入れ仕上げます。
  • 赤出汁、香の物は省略します。
水菓子
  • エリザベスメロンを使用します。エリザベスメロンを縦半分に庖丁し、種を取り除きその中に西瓜、キウイをそれぞれくりぬきをして盛り込みます。
  • コアントローゼリーは水、グラニュー糖、蜂蜜を火にかけ、沸いたら灰汁を取り除き火を止めてから、コアントロー、レモンの絞り汁を加え600ccに対して10gの板ゼラチンを入れ冷やし固め、固まった物を荒く崩しメロン釜に掛けます。
  • デコボンを横に皮ごと2ミリ厚にスライスします。トレハロースと水を同割りで合わせ、スライスデコボンをトレハ水と一緒に真空パックして、トレハ水を繊維の中まで浸透させます。真空パックから取り出し水分を吹き上げてから、鉄板にならべて湿度を止めた80度の温蔵庫で24時間、両面返しながら乾燥させます。
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