今月の絵献立

「福春」理事長 栗原 治(虎ノ門ヒルズ ルーシーズ)

祝い膳
  • 伊勢海老は、活けの物を求め、熨し串を打ち、酒・塩にて茹でます。身の白い部分だけを細かくほぐし、殻盛りします。
  • 黒豆は、重曹、還元鉄と共に3日間水に漬けた後、柔らかく戻し、良く水に晒して選別し、水1升、砂糖400gの蜜にて一度煮含めた後、水1升、砂糖1kgにて煮含め、塩と濃口醤油にて仕上げます。黒豆を煮含めた蜜を用いて氷室に寄せます。
  • 田作りは、鍋にて良く乾煎りした後、牛蒡と京人参共に、酒・濃口醤油・砂糖にて煎り煮とし、金平に仕上げます。
  • 才巻海老は、つの字に串を打ち、茹でた後、鰹出汁・塩・淡口醤油・味醂・砂糖少々に生姜を入れて炊き、芝煮とします。
  • 慈姑を虎型に庖丁し、灰汁止めした後、山梔子を入れて茹で、色付けした後、鰹出汁・淡口醤油・味醂・砂糖少々にて含ませた後、焼き串にて虎模様に仕上げます。
  • 数の子は、塩抜きして米の研ぎ汁に一昼夜漬けた後、薄皮を剥き、鰹出汁7、酒1、淡口醤油1、味醂1に追い鰹をし、地漬けした物を炊いた天上昆布で挟みます。
  • 唐墨は釘打ちし、一昼夜重石をし良く血抜きした物を、西京粒味噌、信州味噌を合わせ酒と味醂にて延ばした味噌床に寒冷紗を用いて1ヶ月漬け込みます。後、適度に庖丁します。
お椀
  • 加賀蓮根を剥き、良く晒して卸します。卵白、片栗粉を入れて味を調え、蟹を射込み蒸し上げます。芽蕪は皮を剥き、茹でて吸地に漬けます。雪輪蓮根は酢水で茹でて晒してから焚きます。これらを盛り付け吸地をはります。
造里
  • 虎河豚を上身にし、薄作りにします。赤貝は掃除して鹿の子に庖丁します。香頭葱は寸に切り、紅葉卸しと共に盛り付けます。酒水に赤色粉で薄く色付けし、扇状に切った和紙に筆書きし、造りに掛けます。
凌ぎ
  • 柚子釜は、柚子を7対3で庖丁し、水・焼酎に3時間漬けて、良く水分を取ってから使用します。雲子を茹でて裏漉しし、玉子L玉2個、雲子の裏漉し八石玉1杯、鰹汁2杯で合せ味を調え、蒸し上げ銀餡を掛けます。
焼物
  • 甘鯛は、鱗付で三枚に卸し、水1,000cc、塩90g、昆布10gを汁に20分つけます。これを庖丁してフライパンで油を高温にして鱗に掛けながら焼き上げます。金柑は、庖丁して米の研ぎ汁で茹で、中をくり抜き、水1升と砂糖800gで焚きます。金柑の中にクリームチーズを入れて編笠とします。はじかみは酢取りとします。
焚き合せ
  • 竹芋を鶴口に剥き、下茹でした物を鰹出汁と昆布出汁を同割した物に酒・砂糖・薄口醤油で焚きます。
  • 鮟肝は良く血抜きをして、小麦粉を付けて照煮とし、庖丁します。
  • 梅人参は、京人参を梅型に剥いて下茹でした物を、鰹出汁に味醂・薄口醤油・塩・梅干しを入れて焚きます。
  • 菜の花は、下茹でしたものを冷水で冷まし、吸地に漬けます。
油物
  • 鮑は、磨いて大根を乗せ、蒸し器で3時間蒸し、柔らかくなったら殻を外し、小角に切ります。
  • 鱶鰭はガラスープで柔らかく戻し、別のガラスープで下味を付けます。百合根は塩蒸しとします。
  • たらの芽は棘を取り、白扇揚げにします。中上げ湯葉を広げ、具を全て包み込み、中上げ湯葉で縛り、油で揚げて福袋とします。旨味出汁に大根卸しを混ぜ、福袋に雪掛けします。
食事
  • 鰹出汁に味を付け雑炊を炊き、上がりに茹でて刻んだ若菜を盛り春菜雑炊とします。べっ甲餡を掛け、卸した山葵を盛ります。
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